職務経歴書の活かせる経験・スキルの書き方と例|ない場合の対処法【スキル一覧】

職務経歴書内の「活かせる経験・スキル」欄の書き方が分からない、書くことがないと、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この項目は、具体的にしっかりと書くことで、これまで培ってきたスキルを強くアピールできます。
本記事では、職務経歴書の「活かせる経験・スキル」の書き方やポイントについて、例文を交えながら解説します。さらに、経験やスキルが少ない場合にアピールできるスキル一覧も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
職務経歴書の活かせる経験・スキル欄の役割とは?
職務経歴書の活かせる経験・スキルの欄は、あなたの経験やスキルが応募先の企業でどのように有利なものであるかをアピールする重要な項目です。企業にとっては、採用後のミスマッチを防ぐ役割もあります。
そのため、応募企業のニーズを事前に把握し、それに合わせた経験やスキルを記載することがポイントとなります。この項目は、採用後の働き方をイメージさせ、企業にとってのメリットを示す場であることを理解しておきましょう。
職務経歴書の「保有資格」「自己PR」との違いは?
項目 | 記載する内容 |
活かせる経験・スキル | 応募先で即戦力になる経験やスキル |
保有資格 | 保有する資格・免許・検定など |
自己PR | 自分の強み |
職務経歴書における「活かせる経験・スキル」「保有資格」「自己PR」の違いは、それぞれ記載する内容にあります。活かせる経験・スキルでは、これまでの職務で得たスキルや知識、応募先の業務に直結する経験を記載します。
一方、保有資格では取得した資格や免許、検定を記載する項目です。ここでは、直接業務に関係ないものであっても、自己成長のために取得した資格であれば記載しても良いです。また、自己PRでは自分の強みや仕事に対する熱意などをアピールします。
このように、それぞれの項目が異なる役割を持ちます。よって、記載内容に重複が無いよう注意しつつ、応募する企業のニーズに合わせた内容を考えましょう。
職務経歴書に書くべき活かせる経験・スキルの一覧
PCスキル
- Microsoft Office Specialist(MOS)
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- 情報セキュリティマネジメント試験
- Microsoft Officeの使用経験
- Google Workspaceの使用経験
- オンライン会議
- データ入力・分析
- タイピングスキル
- 資料作成
業務効率化や作業精度の向上に欠かせないPCスキルは、現代のビジネスシーンで非常に重要です。具体的には、WordやExcelなどの基本的なOfficeソフトの操作だけでなく、データの分析に使える関数の活用、PowerPointを使った効果的な資料作成スキルも求められます。
また、業界や分野によっては、専用ソフトやプログラミングスキルなどの高度なPCスキルがアピールポイントになることもあります。応募する企業に応じて、記載するPCスキルを選択しましょう。
語学力
- TOEIC
- TOEFL
- 実用英語技能検定
- ビジネス英語検定
- 通訳・翻訳
- 海外クライアントとの交渉経験
- 海外出張の経験
- 英文メールの対応
- 英語マニュアル作成
- 海外向けの商品開発
グローバル化が進む現在、語学力は大きな武器となります。 英語の読み書きや会話能力はもちろん、特定の地域や市場に特化した言語スキルがあれば、今後の活躍が期待できます。英検やTOEICのスコア、通訳や翻訳の経験、外国人とのビジネス交渉など、具体的なエピソードを加えて言語力をアピールするとより効果的です。
コミュニケーション能力
- ビジネスメール対応
- 社内外の折衝
- 問い合わせ対応
- クレーム対応
- 傾聴力
- 会議の進行
- プレゼンテーションスキル
- 営業スキル
- カウンセリング
- メディア対応
コミュニケーション能力は、多くの企業や業界でアピールできるスキルです。業務遂行やチームの成果を最大化するためには、コミュニケーション能力が高い人材が必要だからです。
記載する際は、あなたのコミュニケーション能力が発揮された場面や、どのようなシチュエーションでのコミュニケーションが得意なのかを伝えるようにしましょう。
テクニカルスキル
- プログラミング
- フロントエンド開発
- ネットワーク管理
- 情報セキュリティ管理
- 業務自動化
- サーバー管理
- CAD
- クラウド環境の構築
- IoT開発
- ゲーム開発
専門性の高いテクニカルスキルは、即戦力として評価されるポイントです。 例えば、プログラミングやCADの操作、データベース設計など、分野や業界に特化したスキルがあればしっかりアピールしましょう。研修で得たスキルや、実際のプロジェクトでの活用事例を具体的に示すと、説得力が増します。
マネジメント力
- プロジェクト計画
- チームリーダー経験
- 採用活動
- 研修の実施
- 市場分析
- 品質管理
- 新規事業の立ち上げ
- ハラスメント対策
- KPI管理
- コンプライアンス対応
チームの成果を引き出すためのマネジメント力は、多くの企業で求められる重要なスキルです。リーダーやプロジェクトの進行管理、メンバーの育成など、組織全体の成長に貢献した実績を記載しましょう。また、目標設定や業務改善に向け、時間をかけて成果を上げたエピソードを添えることで、マネジメント力を具体的にアピールできます。
職務経歴書の活かせる経験・スキル欄の書き方

箇条書きで簡潔に書く
活かせる経験・スキル欄は、箇条書きで簡潔に書きましょう。職務経歴書では読みやすさが大切です。
この項目では、3つ以上の複数のスキルを記載する場合も多いです。そのため、文章よりも箇条書きで記載するほうが、情報がより伝わりやすくなります。読み手が一目でわかりやすい書き方を意識しましょう。
スキルのレベルが伝わるように書く
経験・スキルを記載する際には、自分のスキルがどの程度のものなのか、どう活かせるものなのかが伝わるように書きましょう。具体的には、数字や実績を記載すると、あなたのレベルが企業側に伝わりやすくなります。
また、マネジメントスキルやコミュニケーション能力など、数字で表現しにくいスキルの場合は、具体的なエピソードや事例をプラスするとレベル感が伝わりやすいです。客観的に見て、あなたのレベルがどのぐらいに達しているのかをアピールできるようにしましょう。
業務に活かせる場面を意識する
活かせる経験・スキルの欄は、採用担当者にあなたを採用するメリットを伝える項目でもあります。そのため、実際の業務や仕事内容において、あなたの経験・スキルが活かせる場面を想定して記載しましょう。
例えば、IT関係の企業を志望する場合はプログラミングスキル、海外企業を顧客とする企業を志望する場合は語学力というように、志望企業に応じた経験・スキルを書くことがポイントです。志望先の業務などに似た場面と、自分の経験・スキルをリンクさせるとより効果的にアピールできます。
面接時に質問されることを想定しておく
実際の業務に活かせる経験・スキルは、大きなアピールポイントとなりますが、面接で深掘りされる可能性もあります。スキルが業務に関連しているほど、面接で質問される可能性は高いです。
そのため、あまり自信がなかったり、誇張したスキルは深掘りされたときにバレてしまう恐れもあります。選考をスムーズに進んでいけるよう、受け答えまで想定して経験・スキルを記載するようにしましょう。
企業に合わせてカスタマイズする
職務経歴書の活かせる経験・スキル欄は、使い回すのではなく、志望企業に合わせてカスタマイズすることが重要です。応募先と関連性の高いスキルがより目立つように工夫しましょう。
経験・スキルの内容を使い回していると、採用担当者にすぐにバレてしまい、意欲や熱意が疑われてしまいます。同じ業界内でも、企業によって求められるスキルや役割は異なるため、毎回カスタマイズして企業への志望度をアピールしましょう。
【職種別】職務経歴書の活かせる経験・スキル欄の記入例
接客業
接客業では、さまざまなタイプのお客様に対応するため、柔軟な対応力やコミュニケーション能力が求められます。接客業務の中で発生したクレームにも、冷静に対応できるスキルは大きなアピールポイントとなるでしょう。また、商品の売れ行きに直結する効果を上げた経験も十分魅力的な経験・スキルです。
営業職
【活かせる経験・スキル】
- 新規開拓営業で年間売上目標120%達成
- CRMを活用した顧客管理を行い、リピーター獲得に成功
- 顧客の課題を分析し、解決策を提案する営業スタイルで契約率を向上
営業職では、顧客との信頼関係を構築する能力が重要です。新規開拓や既存顧客のフォローを行い、商談や交渉力を活かして目標達成を目指します。特に提案力や問題解決能力、マーケットの理解が求められます。
また、CRMツールを活用した顧客管理能力やデータ分析力、効果的な営業戦略の立案も重要です。営業成績を向上させるための自己管理能力や、チームと連携して目標に向かう協調性も求められます。
製造業
【活かせる経験・スキル】
- 製造プロセスを見直し、不良品率20%削減
- 作業手順を改善し、生産スピード10%向上
- 定期的な安全教育を実施し、無事故記録を達成
製造業では、品質管理や生産工程の改善に関する経験が求められます。工程管理や設備運用の知識、トラブルシューティング能力が重要です。
また、安全管理や労働環境の改善に関する知識も必要です。チームで協力し、効率的な生産ラインを維持するためのコミュニケーション力も欠かせません。
マーケティング職
【活かせる経験・スキル】
- SNS運用を強化し、3ヶ月でフォロワー数200%増
- Googleアナリティクスを活用したWebサイトの集客改善
- SEO記事を作成し、オーガニック流入を視野に前年度比150%向上
マーケティング職では、データ分析力、コンテンツ制作・企画力、プロジェクトマネジメント能力などが求められます。市場や顧客データを分析し、効果的なキャンペーンを企画・実施する力が重要です。
また、SEOやSEMの知識、ブランド戦略の理解も不可欠です。さらに、複数のプロジェクトを同時に進行し、社内外とのコミュニケーションを円滑に行う能力が求められます。
人事職
【活かせる経験・スキル】
- 新卒・中途採用の選考フローを改善し、内定承諾率20%向上
- 新人研修の企画・運営を担当し、入社後の定着率向上に貢献
- 怠勤管理・社保手続きの対応を正確に実施
人事職では、採用活動や社員のキャリア支援、労務管理に関する経験が求められます。特に、応募者との面接や選考基準の設定、社員研修の企画・実施能力が重要です。労働法や社会保険制度の理解、従業員の福利厚生に関する知識も必要です。
また、社員のパフォーマンス管理や評価制度の設計・運用、モチベーション維持をサポートする能力が求められます。良好なコミュニケーションスキルも不可欠です。
医療事務
【活かせる経験・スキル】
- 窓口対応、患者様の不安を軽減する接遇を実施
- ExcelでVLOOKUPなどの関数計算、グラフの作成
- 診療報酬請求を正確に処理し、返戻率を削減
医療事務では、患者対応や診療報酬請求業務の経験が求められます。医療事務の基本的な知識(医療用語や保険制度)を理解し、正確なデータ入力や書類作成ができることが重要です。
また、患者との円滑なコミュニケーションや、電話対応・受付業務のスキルも必要です。病院内での事務処理業務を効率化するためのPCスキルや、チームと協力して作業を進める調整能力も求められます。
経験・スキルが少ない時にアピールできるスキル
ヒューマンスキル‥‥協調性、傾聴力、敵応力など
ビジネススキル‥‥情報収集・分析力、タイムマネジメント能力、状況把握力など
ビジネスマナー‥‥挨拶・言葉遣い、電話対応、接客応対など
第二新卒の方や、就活・転職活動で「経験が少ない」と感じる場合でも、アピールできるスキルは意外と多くあります。「職務経歴書に特に書くことがない」と悩んでいる方も、それぞれのスキルを見直し、自分のエピソードを添えてアピールしましょう。
ヒューマンスキル|どんな職場でも求められる人間力
ヒューマンスキルとは、円滑なコミュニケーションや協調性、敵応力など、人と関わるうえで重要なスキルです。たとえ業務上での経験が少ない場合でも、これまでの経験で成長したスキルをアピールできます。
ヒューマンスキルについて書く場合は、どのような場面でどう活かしてきたのかを伝えるために、簡潔にエピソードを加えると良いです。例えば、チームの意見をまとめた経験や、相手の立場を考えて行動したエピソードは、立派なヒューマンスキルの証明になります。
ビジネススキル|経験が浅くても伸ばせる基本的な力
ビジネススキルは、仕事を進めるうえで必要となる知識やスキルのことです。特定の業務経験がない場合でも、日常生活や学業などでも養うことができます。
これまで培ったビジネススキルを上手く伝えることで、成長やポテンシャルのアピールにつながります。特に、論理的思考や情報収集力、タイムマネジメント能力などは、どの分野でも役立つスキルであるため、身近な事例とともに具体的に伝えましょう。
ビジネスマナー|社会人としての第一歩となるスキル
ビジネスマナーは、社会人としての基本となるスキルです。業務の経験が少ない場合でも、丁寧な言葉遣いや正しい挨拶といった基本を身につけることで、好印象を与えることができます。
経験が少ないからといって自信をなくす必要はありません。今あるスキルを整理し、どのように活かせるかを考えて、あなたの魅力をしっかり伝えましょう。
どうしても活かせる経験・スキルがない場合は?
勉強中のスキルを書くのもOK
「即戦力になれるスキルがない」と感じている場合でも、現在進行中で習得を目指しているスキルをアピールすることは十分に効果的です。特に、業務に活かせるスキルであれば、未経験でもポテンシャルが伝わります。現在取得を目指して学習している資格名、受講した講座などを記載し、志望企業に対する熱意をアピールしましょう。
もう一度自己分析を行う
「活かせる経験・スキルがない」と思っていても、過去の経験を深掘りすることで、意外なスキルが見つかることがあります。例えば、学生時代や前職で、周囲から褒められたり感謝された経験、継続していることなどを振り返ってみましょう。
スキルというと専門知識や技術に目が行きがちですが、先述したヒューマンスキルやビジネススキル、マナーなども立派なアピールポイントになります。どうしても職務経歴書に書く経験・スキルが見つからないという場合は、再度自己分析を行いましょう。
第三者の意見を聞いてみる
自己分析が自分一人だとなかなか上手くできないという場合は、友人、家族、先輩など周囲の人の意見を聞いてみましょう。自分ではアピールできる経験・スキルではないと思っていても、他人から見れば魅力的な点であることも多いです。第三者の視点を取り入れることで、自分の強みとなる経験・スキルを客観的に理解できます。
志望企業が求める経験・スキルのアピールで高評価を得よう!
企業は、応募者がどのように経験・スキルを自社で活かせるかという部分に注目しています。そのため、職務経歴書では企業の求めるスキルに合致する経験をピックアップすることがポイントです。
また、職務経歴書で記載した内容は、書類選考の先にある面接で深掘りされる可能性もあります。面接の際にも自信を持って伝えられるよう、受け答えを想定しておくことも大切です。自分の経験・スキルを企業ごとにカスタマイズし、採用担当者に響く職務経歴書を作成しましょう。
- 志望企業に合ったスキルをピックアップしよう
- 簡潔に伝わるように書こう
- スキルがないと感じたら自己分析を徹底してみよう


編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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