介護福祉士の職務経歴書の書き方|書くべき実績や応募先別のポイントも解説

介護福祉士の職務経歴書は、スキルや実績の書き方によって印象が変わります。応募先に合ったスキルを前面に押し出せば、採用へ一気に近付くでしょう。
この記事では、介護福祉士の職務経歴書の書き方を、項目別の例文付きで紹介していきます。
また、特に悩みやすい自己PRについても、好印象を与えられるコツを解説。スムーズに職務経歴書を作成したい方は、ぜひ参考にしてください。
介護福祉士の職務経歴書の書き方【4ステップ】
①PCやスマホで作成する
②経験業務の内容を振り返る
③職務経歴は新しい順で書く
④介護福祉士の資格は必ず記載する
【Step1】PCやスマホで作成するのがおすすめ!
職務経歴書はPCやスマホで作成した方が簡単です。手書きと比べて文字が読みやすく、書き間違いもすぐに修正できるため、効率的に作ることができます。
無料サービスの「らくらく履歴書」では、PC・スマホから簡単に職務経歴書を作成できます。必要事項を入力していくだけで、自動でフォーマットを整えてくれるため、手間がかかりません。
さらに、悩みがちな自己PRについても、自分に合った例文を自動で生成してくれます。例文を基にして、スムーズに書き進めることができるでしょう。
【Step2】経験した介護施設や介護サービスの業務内容を振り返る
経歴を書き始める前に、これまでに経験した業務を整理しておきましょう。職種による違いだけでなく、施設やサービスごとの細かな違いがあるはずです。
どんな業務経験が応募先で役立つかは、実際に働いてみるまでわかりません。しかし、できるだけ細かく経験を挙げておけば、応募先に合った強みが伝わる可能性も上がります。
経験やスキルをひとまずリストアップしておき、そこから何を選ぶのか考えていくのがおすすめです。
【Step3】職務経歴は新しい順に書くとスキルが伝わりやすい
職務経歴は最新の職歴から書き始めることで、採用担当者に一目で今のスキルが伝わります。
介護福祉士は、キャリアの流れよりも今あるスキルが重視されやすい職種です。そのため、職務経歴を書く順番は新しい順が向いています。
応募書類は、必ずしも隅々まで確認してもらえるわけではありません。読み飛ばされたり、一番アピールしたい強みに気付かれないケースを防ぐためにも、まずは今のスキルを伝えるようにしましょう。
【Step4】介護福祉士の資格は必ず記入する
必須となる介護福祉士の資格は忘れずに記載しましょう。職務経歴を見れば持っていて当たり前だと思っても、記載を省くと余計なトラブルや不信感に繋がります。
また、介護福祉士養成施設の卒業から5年以上経過しており、それまでに国家試験の合格や5年間の介護業務に携わっていなかった場合、効力が消失している可能性があります。
卒業時点では「経過措置」として5年間の介護福祉士としての資格を与えられますが、それ以降は特定の条件を満たしていなければ資格が失効します。不安な方は、社会福祉振興・試験センターで確認しておきましょう。
介護福祉士の職務経歴書を書くポイント【例文あり】
職務要約に意気込みを書かない
職務要約は、職務経歴を簡単にまとめるのが基本です。自己PRや志望動機などを組み込むのは避けましょう。
また、文字数は200~300字程度を目安に調整します。職歴が少ない場合は、それぞれの業務内容を多めに取り上げると収まりやすくなります。職歴が多い場合は、業務内容は簡単にまとめるか、特にアピールしたい経歴について重点的に書きましょう。
職務経歴は経験を箇条書きでまとめると読みやすい
〇〇老人ホーム(2010年4月 ~ 現在)
【役職】介護職員(正社員)
【業務内容】
・食事・入浴・排泄介助を担当し、利用者様の自立支援を推進。特に認知症の方に対しては、個別ケアを実施し、生活の質向上に貢献。
・利用者様の趣味や興味に応じたレクリエーションを月1回のペースで企画・実施し、参加率90%以上を達成。
・介護記録や健康状態の記録を正確に行い、月次報告書を作成。これにより、ケアプランの見直しを効率化し、個別対応の精度を向上。
・医師や看護師、他の介護職員と密に連携し、月1回のカンファレンスで利用者様のケアプランを改善。
・新人スタッフやアルバイトスタッフの指導を行い、指導後3ヶ月以内に業務の独立度が80%以上の成果を上げる。
・事故防止策の見直しと実施を担当。施設内での転倒事故を前年比で30%削減。
介護福祉士は、業務内容が広くなる傾向にあります。経験業務は箇条書きで、具体的な内容がわかるように紹介すると伝わりやすいでしょう。
全ての経験を1つの文章で説明しようとすると、文字数が多くなり、読みにくい職務経歴になってしまいます。内容が読み飛ばされる可能性もあるため、簡潔な文章を心がけることが重要です。
また、業務内容についての実績があれば、それも記載するとさらに効果的です。実績は数値で表せると良いアピールになります。
資格・免許は正式名称と取得年月をチェックする
資格や免許を記載する際は、正式名称で書く必要があります。「介護福祉士」はそのままで問題ありませんが、例えば自動車免許は「普通自動車第一種運転免許」と書かなければなりません。
また、それぞれの資格・免許は正しい取得年月を確認しておきましょう。資格証・免許証自体に書いてある場合もあれば、取得時の書類などで確認しなければならない場合もあります。
正式名称や正確な取得年月がわからないからといって、適当に記入することは絶対にNGです。
介護福祉士が職務経歴書に書くべき実績
ケアの質を向上させた取り組み
- 利用者様一人ひとりに合った個別ケアプランを作成し、認知症ケアを中心に生活の質を改善
- 定期的にケアプランを見直し、改善提案を行うことで、ケアの質を向上
ケアの質を向上させるには、利用者に合わせるだけでなく、スタッフ間の情報共有と改善が必要です。
実績には1つの取り組みだけを挙げるよりも、様々な方向から改善を試みたことを書くと、仕事への意欲が感じられます。
ケアの質の向上は、数値で変化を掴むことのできない実績です。そのため、取り組み内容に具体性と説得力を持たせることが重要です。
業務やチームワークの効率化
- 施設内で業務フローを見直し、無駄な手順を省く改善案をチームで共有
- 介護記録のデジタル化を進め、情報共有の効率化を図ることで、スタッフ間での連携強化に貢献
介護福祉士は業務範囲が広いため、様々な効率化の取り組みが行えます。ケアに関する部分だけでなく、事務的な作業の効率化も評価されるポイントです。
介護業界はIT化が比較的遅れており、システム的な業務については効率化の余地が大きいです。そのため、自分の知識を活かして事務手続きや管理を効率化した経験があれば、強いアピールポイントになるでしょう。
スタッフの指導
- 新人スタッフやアルバイトスタッフに対し、実務指導を行い、3ヶ月以内に業務を一人でこなせるよう育成。・新人スタッフの悩みの共有や解決を図り、定着率を向上
スタッフの指導経験は、リーダーとしての能力を示すのに最適な実績です。効果的・効率的な指導を行い、短期間で育成したことが伝わると良いでしょう。
また、介護業界は定着率が低いため、指導を通じて定着率向上に貢献した実績があると、さらに高い評価を得られます。
緊急時の対応経験
- 急病や事故が発生した際には冷静に対応し、医療スタッフとの連携を密にとることで、利用者様を迅速に適切な処置が受けられる場所に移送
- 緊急対応訓練に参加し、急変時の迅速な対応方法を習得
緊急時の対応力は、万が一の事態を防ぐことに繋がるため、重要視される能力です。
老人ホームのように利用者と触れ合う時間が長い施設では、その分だけ緊急事態に直面することも増えます。適切な対応を行い、安全を第一に行動したことを伝えれば、対応力が高いことを示せるでしょう。
待遇改善に繋げる!介護福祉士の自己PRを書くコツ
夜勤なしでも十分に貢献できるスキルを示す
介護福祉士は夜勤が求められることもありますが、日勤のみでも大きく貢献できることをアピールすれば、希望の勤務形態に近付きます。
日中の業務で活かせるスキルを中心に自己PRを組み立てると、夜勤なしでも貢献できることが伝わりやすいです。レクリエーションの活性化や、利用者に合ったケアを欠かさない姿勢のアピールが有効です。
ただし、完全に夜勤なしで働くのは難しいため、夜勤の業務範囲についてもある程度は触れておきましょう。
安定した環境で長期的に貢献したいことを伝える
長期的に働ける人は、待遇に関する交渉がしやすいです。人手不足が深刻な介護業界では、長く働ける人材はそれだけで貴重です。
これまで長期間務めてきた経歴や、応募先の理念との共感を前面に押し出すことで、長期的な活躍を期待してもらいやすくなります。
また、単に「安定した環境で働きたい」と述べるよりも、「安定した環境で学び続けながら貢献したい」といった表現にした方が、勤務形態に対してポジティブな印象を与えられます。
家庭との両立をしてきた経験を取り上げる
家庭との両立をテーマにすることで、仕事と家庭のバランスを重視していることを遠回しに伝えることができます。
その際、どのような工夫をして両方のスケジュール管理を行ったのかを説明できると、より具体的なアピールになります。
特に、育児中は急な予定変更が必要になって悩むことも多いです。そこで高い柔軟性を発揮し、仕事のスケジュール調整を欠かさなかったことを伝えれば、家庭と仕事の両方への責任感がアピールできます。
【事業別】介護福祉士に求められるスキル
老人ホームは体力とスタッフ間の連携が欠かせない
- 身体介助を丁寧に行える体力
- スタッフ間の協調性
- 夜勤や急な事態への対応力
老人ホームでは、特に身体的負荷の高い業務が多く、体力は欠かせない要素です。体力に余裕があれば、業務をスムーズに進められるだけでなく、各種ケアにも丁寧に取り組めます。
夜勤の場合は勤務時間も長いので、長時間の業務でも問題なく遂行できることを示しましょう。
また、関わることになるスタッフ数が多いため、協調性も求められます。周囲と協力して業務を効率化していく姿勢が大切です。
デイサービスは利用者に合った接し方を考えることが重要
- 利用者に合ったケアを考えられる観察力
- レクリエーションの進行
- (送迎が必要な場合)免許や運転スキル
デイサービスで中心となるレクリエーションや機能訓練を、より丁寧に進められることをアピールしましょう。
特に、利用者それぞれに合った接し方を考え、実践していける力が重要です。そのためには、高い観察力をアピールすると良いでしょう。
老人ホームよりも求められる体力の水準は低いですが、それでも時には身体的負荷の高い業務に携わります。そのため、一定の体力があることも示しておくと安心です。
老健では医療やリハビリに関する知識も必要
- 他の領域の専門家との連携力
- 医療的ケアの基礎知識
- 介護計画の企画・実践
老健では自宅復帰を支援するための、リハビリや医療的なケアについての知識が求められます。
他の職種では学びにくいことも必要とされるため、経験や自主的な学習が大きな力になるでしょう。また、古い知識で実践してしまわないように、日々情報をアップデートしていく姿勢も大切です。
他の領域の専門家と協力してケアにあたることも多いため、連携力も重視されます。
訪問介護は環境に合わせたケアを考える柔軟性が重要
- 柔軟な対応力
- 利用者の家族とのコミュニケーション能力
- スケジュール管理能力
訪問介護では基本的に1人で対応しなければならず、その場で臨機応変に対応ができることが大きな条件になります。
利用者の家族と相談の上でケア方法を考える必要もあるため、コミュニケーション能力も重要なスキルです。
さらに、厳密なスケジュールで何人もの利用者の対応をするためには、スケジュール管理能力も欠かせません。時間を守る意識と、柔軟性を両立させていることをアピールできると良い印象になります。
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PCやスマホからいつでも無料で利用でき、途中で保存する機能もあるので、隙間時間に少しずつ進められます。作成した職務経歴書は、そのままメールで送ったり、コンビニ印刷したりでき、非常に便利です。
職務経歴書の書き方でお悩みの方は、らくらく履歴書をぜひ一度お試しください。
- 職務経歴は新しい順番で書く
- 介護福祉士の資格は失効していないかをチェックした上で書く
- 安定した環境で長期的に貢献したいことを伝える


編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
>メッセージを読む
12年間の介護福祉士としての経験を持ち、介護施設での生活支援業務を担当。主な業務は、食事・入浴・排泄の介助をはじめ、認知症ケアや障がい者支援を行い、利用者の生活の質を向上させることに注力してきました。また、レクリエーションの企画・実施、施設内の衛生管理、薬剤管理なども担当し、日々の業務の効率化を図りました。記録業務では、利用者の健康状態やケア内容の詳細な記録を行い、他の職員との連携を強化。さらに、後輩や新人スタッフへの指導や教育にも従事し、施設内のスムーズな運営に貢献しました。