【履歴書の自己PR】書き方と例文・NG例を紹介!職種別のポイントも
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履歴書の自己PRは、ほとんどの企業が注目する重要度の高い項目です。その分だけ書き方に悩むことも多いですが、そもそも「なぜ自己PRが大切なのか」を理解せずに書いても十分な効果は得られません。
この記事では、履歴書で自己PRが重要な理由を押さえた上で、自己PRの基本の流れを解説します。転職や新卒・アルバイトなどの状況別例文や、職種ごとに意識したいポイントも必見です。
また、「自己PRが思いつかない」という悩みを抱える方でも自己PRが書けるアイデアも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

履歴書の中で、採用担当者が特に重視するのが自己PR欄です。応募者の強みや考え方が最も表れやすい項目なので、重要な判断材料として扱われます。
学歴や職歴などの基本情報には、工夫の余地はありません。しかし、自己PRは書く内容や表現まで全て応募者自身で考えるものです。そのため、「何が強みか」以外にも、「どんな価値観か」「どんな意図のアピールなのか」まで読み取ることができます。
こうした内面的な情報は、最終的に「一緒に働けるか」という合否の判断にも大きく関わってきます。他の項目のように情報を羅列するだけでなく、しっかり自分の個性を反映させることが必要です。
自己PRには、明確な正解や絶対に守らなければならないルールはありません。「自分をどう見せるか」「どの経験を強みとして打ち出すか」を自分で考える必要があります。
書く内容の自由度が非常に高い反面、理解しやすい文章構成を意識しなければ正確な強みが伝えられません。何も工夫せずに強みを書いても、平坦で印象の薄い自己PRになってしまうでしょう。
そのため、テーマ決めやエピソード選び・文章全体の構成まで、時間をかけて試行錯誤する必要があるのです。
自己PRと志望動機は混同されがちですが、それぞれ目的が異なります。志望動機は「なぜその会社で働きたいのか」を伝えるものであり、自己PRは「どんな強みを発揮できるか」を示すものです。
どちらも自分の強みをアピールする点は共通ですが、両方とも同じような強みを根拠に書くのは避けるべきです。内容が薄くなり、単にアピール不足という印象になってしまうでしょう。
履歴書で好印象を与えるには、自己PRも志望動機も高い完成度で仕上げる必要があります。両方とも悩みやすい項目なので、しっかり力を入れて取り組むことが大切です。
自己PRの冒頭では、採用担当者の目を引く一言で自分の強みを端的に伝えましょう。最後までじっくり読んでもらえるとは限らないので、最初の一文で「何に自信があるのか」を伝える必要があります。
自己PRのテーマを明確にしておくことで、その後の文章の意図も伝わりやすくなります。逆に、エピソードやスキルから説明すると「結局何を言いたいのか」が最後までわからず、読み直す手間が生じてしまいます。
また、どんな強みを伝える場合でも、曖昧な表現にせず言い切ることを意識しましょう。自己PRはあくまで自己申告なので、謙遜をする必要はありません。自信を持って「強みは○○です」と断言するべきです。
強みを述べた後は、それを裏付ける具体的なエピソードをいくつか取り上げます。ここでは「どんな状況で」「どんな行動をして」「どんな成果があったか」を簡潔に説明するのがポイントです。
特に、数値や割合で示すことができるエピソードは積極的に組み込みましょう。客観的な指標として強みを裏付けられるので、一気に説得力が増します。
ここで用いるエピソードは、大きな実績でなくても構いません。日常業務の中での工夫や、周囲から評価された経験などでも十分です。自分の強みが発揮された行動であるかどうかが重要なポイントです。
1つのエピソードだけを説明し続けるとやや冗長に見えることが多いので、2~3個程度のエピソードを簡潔に紹介すると良いでしょう。文章量と情報量のバランスが取れるため、流し読みでも理解できる内容になります。
自己PRの最後は、これまでの経験を踏まえて「今後どのように活かしたいか」で締めると効果的です。強みやエピソードは過去の話なので、それだけではその企業で働くビジョンが伝わりません。
「貢献したい」「成長したい」など、前向きな一言を含めて締めましょう。職種が決まっている場合は、より具体的に「○○分野で活躍したい」と書くと好印象です。
なお、締めでは「学ばせてほしい」といった受け身な姿勢は避けた方が無難です。企業へ貢献する意気込みに欠ける表現であり、評価を落とす原因になりえます。
自己PRは、ここまでに紹介した「強み→根拠→今後の目標」という流れで構成すると読みやすさが向上します。内容だけでなく読みやすさや情報量も考慮して仕上げることで、説得力と信頼性のある自己PRになります。
私の強みは、相手の課題を的確に把握して最適な解決策を提案できる点です。前職では法人営業を担当し、取引先の要望を細かくヒアリングすることで、年間契約の継続率を90%以上に維持しました。また、受注後のフォロー体制を見直す提案が採用され、部署全体の業務効率化にもつながりました。こうした経験をもとに、貴社でもお客様から信頼される営業担当として、長期的な関係構築に貢献していきたいと考えています。
転職者の場合、業務経験があるため「即戦力としてどんな力を発揮できるか」が第一に問われます。最初の一文で、自分の得意分野や仕事のスタンスを明確に伝えると印象が良いでしょう。
強みの根拠となるエピソードでは、なるべく具体的な実績や行動を示すことが重要です。事実としてどんなことを積み重ねてきたのかを中心に組み立て、能力の高さを示しましょう。
意気込みや考え方も大切な要素ですが、転職の場ではスキルや経験の方が評価されやすい傾向にあります。意欲の高さは最後の締めの言葉として伝えるようにし、基本的には成果中心のアピールをするのが効果的です。
お私は、チーム全体をまとめながら目標に向けて粘り強く行動することができます。大学では文化祭実行委員として広報を担当し、SNS発信や企画運営の改善を通じて前年度よりも多くの来場者数へ繋げました。準備期間中はメンバー間の調整役となり、スケジュール管理にも注力しました。こうした経験を通して得た調整力や実行力を活かし、入社後も周囲と協力しながら成果を上げられる人物を目指します。
新卒生は職務経験がないため「どんな社会人を目指すか」を明確に伝えることが重要です。また、強みの根拠は学業やサークル・アルバイトなどの経験をもとにアピールするのが基本となります。
学生時代のエピソードでは、成果よりも過程や学びを重視し、どのように課題を乗り越えたかを丁寧に描くと印象に残ります。特に、自ら考えて動いたことや協調性が伝わる出来事を使うと効果的です。
新卒採用では、能力よりもポテンシャルや意欲・人柄などの内面的な部分が主な評価基準になります。無理に能力の高さを示そうとはせず、自分らしさの伝わる経験や目標を掲げましょう。
私の強みは、どのような状況でも落ち着いて行動できることです。これまでに飲食店でのホール業務を3年間担当し、混雑時にも笑顔を絶やさず迅速な対応を心がけてきました。お客様から「安心して任せられる」と声をいただくことも多く、指導役として新人教育にも携わりました。今後はこれまでの経験を活かし、接客の質をさらに高めながら、お客様に喜ばれるお店づくりに貢献したいと考えています。
アルバイト・パートの自己PRでは、「任された仕事をどれだけ責任をもって遂行できるか」が評価の鍵となります。まずは自分の仕事に対する姿勢や、日常的に意識している工夫などを端的に述べるのが良いでしょう。
強みを裏付けるエピソードでは、勤務中に工夫した点や職場で信頼された経験などを使うのがおすすめです。数字よりも「取り組み方」や「気配り」に焦点を当て、働く姿が想像しやすいよう意識しましょう。
また、小さな改善や継続的な努力が伝わる経験も立派なアピール材料になります。特別なスキルは求められにくい分、一緒に働きやすい人柄を伝えることが大切です。
私は常に学ぶ姿勢を持ち続けていることを強みとしています。出産・育児のため一時的に仕事を離れましたが、その間にパソコン講座や資格取得を通じてスキルアップを図りました。以前の職場では事務職として、正確さと丁寧さを重視した業務で上司から信頼を得ておりました。ブランクを経て得た計画性や責任感を活かし、再び社会の一員として貢献していきたいと考えております。
直近でブランクがある人は、働けなかった事情や、その期間にしていたことを組み込んでみましょう。ブランク期間の説明が特にないと、「働く意欲がない」と捉えられる可能性があります。
一般的なブランクの理由は「結婚」「育児」「介護」などです。これらの理由は理解を得やすく、マイナスな印象も与えにくいでしょう。
また、ブランク期間中に資格取得や副業など、仕事に直結する取り組みをしていた方は積極的に伝えましょう。仕事への高い意欲がうかがえるので、職歴の空きを十分にカバーできます。
私は新しい環境でも主体的に学び、早期に成果を出す行動力があります。前職では販売職としてお客様のニーズに応える提案を重ね、社内表彰を受けました。その経験を通じて培ったコミュニケーション力と観察力は、どの業界でも活かせると考えています。未経験ではありますが、知識の吸収を怠らず、任された業務を確実に遂行できるよう努力し、貴社の一員として成長していきたいです。
未経験分野の職種へ応募する時に重要なのは、適応力や自分から学ぶ姿勢です。経験不足であることは変えられないため、それを補えるだけの意欲を示しましょう。
また、これまでに培ってきた「職種を問わず活かせるスキル」を中心にアピールするのも効果的です。例えば、基礎的なビジネスマナーやコミュニケーション能力・対外折衝の経験などは、どんな業界でも必ず役立つでしょう。
締めの文章では能力面よりも意気込みを前面に出し、能動的に成長していけることが示せると好印象です。未経験でも十分な社会人経験と意欲があれば、選考で大きく不利になることはありません。
営業や販売・接客といった、社外の人と関わる機会が多い職種では「人柄」「誠実さ」も求められます。スキルや資格だけでは測れない部分でもあるので、自己PRでしっかりアピールしておく必要があります。
人柄に説得力を持たせるには、交渉やトラブル解決のエピソードを使うことが効果的です。具体的なやり取りも含めて説明すれば、どんな考え方やコミュニケーションの取り方をする人物なのかが明確になるでしょう。
また、チームや他の部署と協力した経験も有効な強みです。社内外を問わずスムーズにやり取りできることを自然に示せます。
エンジニアや研究開発といった専門性の高い職種では、現状のスキルが最大のアピールポイントになります。抽象的な表現は抑え、具体的に「何ができるのか」を示すことが重要です。
ただし、全てのスキルを列挙するだけでは十分な自己PRになりません。特に伝えたいものを1~2個に絞り、それに関連する実績やエピソードを紹介しましょう。実績は、数値で表せるものを選んで記載すると説得力があります。
さらに、技術力が求められる職種では、技術の進化を取り入れていく姿勢も欠かせません。常に学び続け、自分を高めていく意欲を締めの文章に組み込むのがおすすめです。
事務や経理などバックオフィス系の職種は、日々の業務を安定してこなし続けることが第一に求められます。目立った実績はあまり必要とされませんが、「問題なく業務をこなしてきたこと」は意外にアピールが難しいものです。
安定性があることを示すには、担当してきた業務範囲を明確にした上で「1日○件」といった業務量を記載すると良いでしょう。さらに、ミスの少なさや業務効率の改善に向けた取り組みなども強いアピールになります。
バックオフィスは日々の積み重ねで結果を出す職種が多く、突出した実績やスキルは重要度が低い傾向にあります。飾りすぎず、シンプルな業務経験を伝えれば評価されるでしょう。
介護や医療、保育といった「人の命を預かる」仕事では、何よりも責任感が大切です。求められるスキルのアピールに加え、どれだけ誠実に業務へ取り組んでいるかを必ず伝えましょう。
責任感が表れやすいのは、一人ひとりにしっかり向き合ったことが伝わるエピソードです。課題解決以外にも、「相手を安心させる」「見守る」といった配慮をできる姿勢が見せられると、高い評価に繋がります。
また、常にチームで動くことになる職場が多く、報連相を徹底できることも必要な能力として挙げられます。1つのミスが重大な結果を招くこともありえるので、常に高い安全意識を持って業務に臨めることをアピールしましょう。

自己PRで自分の有用性をアピールしたいあまり、ただの実績自慢になってしまうことがあります。
ただ成果ばかりを並べて、肝心の「何が強みでどう活かせるのか」が伝えられていないと、自慢だと受け取られやすいです。いくら立派な実績があっても、伝え方を間違えれば今一つな印象しか与えられません。
採用担当者は完璧な人材を求めているわけではなく、「自社に合う人」を採用するために選考を行います。結果を出せること自体は重要ですが、それが全てではないという点は必ず意識しましょう。
「○○が得意です」「○○が強みです」といった強みは、主観的に思っていることに過ぎません。客観的に裏付けているエピソードがなければ、根拠のない主張になってしまいます。
行動を伴ったエピソードを述べ、その強みが発揮されたことを事実として示す必要があります。「○○を意識していた」だけでは行動したことにはならないため、注意が必要です。
どうしても強みとエピソードに関連性を持たせられない場合、最初に設定した強みが自分に合っていない可能性があります。エピソードや成果から逆算する形で強みを再考してみましょう。
自己PRと志望動機は内容が混同しやすく、どちらも同じような内容になることが多い項目です。しかし、自己PRは「自分の強みと活かすイメージ」、志望動機は「その会社を選んだ理由」を伝えるものであり、役割が明確に異なります。
そのため、自己PRに書いたことを志望動機でも繰り返していると、内容の薄い履歴書として見られかねません。
自己PRでは「自分の経験や内面」を中心に、志望動機は「企業への関心や関わり」で固めるようにすると良いでしょう。用いるエピソードが被りにくくなり、簡単に内容を差別化できます。
自己PRに書く強みやエピソードが「何も思いつかない」という人は多いです。しかし、これまでの経験を振り返れば、必ず自分らしい自己PRが見つかります。
ここからは、自己PRが思いつかない時に使えるアイデアの一例を紹介していきます。
自己PRのような自由記述の文章を考える上では、AIツールが役立ちます。らくらく履歴書なら無料で自分に合った自己PRを生成し、そのまま整った履歴書として保存することもできます。
AIで自己PRを作る際は、自分を表すキーワードをいくつか設定するのがポイントです。例えば「責任感」「スポーツ経験」といった単語を入力するだけで、職歴や学歴も踏まえて自動で自己PRが作れます。
こうしてAI生成した自己PRは、そのまま使わないよう注意しましょう。自分の正確な経歴に合わせて調整し、細部の言い回しなどを自分の言葉に置き換えることで、初めてオリジナリティのある自己PRに仕上がります。
自己PRというと「立派な成果を上げた経験」を使いたくなるものですが、失敗や苦手を乗り越えた経験も十分なアピール材料になります。課題との向き合い方は、企業も知りたいと考える重要な要素です。
「失敗から何を学んで改善に繋げたか」という流れや、考えたことをエピソードに落とし込んでみましょう。そこから「課題解決力」「調整力」といった、自分でも気付いていない強みまで見えてくるかもしれません。
なお、「挑戦したが失敗した」だけで終わるエピソードは自己PR向きではありません。あくまでも最終的に改善へ繋げた経験を用いるべきです。
過去の職場で「上司や顧客から高く評価されたこと」「任されることが多かった業務」は、自分の強みに直結している可能性があります。これらは第三者からの評価の表れであり、自己分析だけではわからなかった強みも見つかるでしょう。
「なぜ評価されたのか」「その業務に必要な能力は何だったか」を考えれば、どんな強みが自分にあるのかが見えてくるはずです。
このように結果から自己PRを考えていくことで、根拠と強みにズレが少ない構成にすることもできます。自分の強みがわからない場合は、結果を出すのに必要とされた能力を軸にしてみましょう。
社会人経験が浅い場合やブランクがある場合、仕事以外のことを自己PRのテーマにしても構いません。家庭の出来事やボランティア活動、熱心に取り組んでいる趣味などもエピソードとして使うことができます。
仕事以外でも、真剣に取り組んでいれば「課題を解決する」「周囲と協力する」といった姿勢は培われるものです。これらは社会人としての基本であり、自己PR用のエピソードとしても高い説得力があります。
ただし、最後の締めでは「これらの経験を今後の仕事で活かしたい」など、仕事と絡めた表現を忘れないようにしましょう。
履歴書の自己PRは悩む人も多い項目ですが、基本の流れや書くべきことを押さえれば格段に書きやすくなります。「強み→根拠→今後の目標」という構成に、自分なりの考えやエピソードを当てはめていきましょう。
また、自己PRは転職や新卒といった現在の状況に加え、応募先の職種によっても評価されやすい内容が変わります。自分の立場や志望企業をもとに、適切なアピール内容を考えることが重要です。
もし自己PRが思いつかない時は、過去の経験から逆算する形で強みを探してみましょう。仕事で活躍した経験の裏には、必ずあなた自身の強みが隠れているはずです。

2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書・職務経歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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