新卒者向け、企業の目に留まる履歴書の書き方:自己PRと志望動機の解説と例文紹介
新卒での就職活動や、中途採用での転職活動などで必ず必要になってくる履歴書。
自分の経歴や考え方を分かりやすく一枚にまとめた書類ですが、だからこそ気合を入れて作成したいですよね。
「企業の採用担当者に刺さる自己PRや志望動機を書くにはどうすればいい?」
「そもそも、新卒の履歴書ってどうやって書くの?」
本記事ではそんな履歴書作成ビギナーの方々、特に新卒の就職活動で初めて履歴書を作成する方向けに、ポイントを押さえて履歴書の作成方法を解説します。
志望動機や自己PRだけじゃない!新卒者が注意すべき履歴書作成のポイント
新卒者が書く履歴書は内容が大事なのはもちろんですが、それは履歴書を書く上でのマナーをきちんと守った前提でのことです。志望動機や自己PRを書くことに気を取られがちですが、ここでは履歴書を書く上での準備やマナーについて解説していきます。
履歴書を作成する準備
特に新卒の就活などで初めて履歴書を書くという方は、何を準備すればいいか分からないこともあると思います。履歴書を作成するにあたって準備するものを以下にまとめましたので、ご確認ください。提出直前になって足りないものを見つけて焦らないように、時間に余裕を持って用意しましょう。
・履歴書
履歴書にはコンビニや書店で買える市販のものやオンラインで無料でダウンロードできるものがありますが、新卒の場合は学校指定の履歴書を使用するといいでしょう。市販のものよりも自己PRや志望動機の欄が多くとられており、企業により自分の情報をアピールすることができるので新卒での就活には必須です。また、履歴書のサイズもA4とB5がありますが、より多くの情報を書けるA4サイズを選びましょう。
・証明写真
撮影から3ヶ月以内のタテ40mm、ヨコ30mmの証明写真を用意しましょう。写真は写真館やスピード写真機で撮影することができます。新卒の履歴書に相応しい服装で写りましょう。
・その他、必要に応じて印鑑など
履歴書に押印する場所が印字されているタイプのものを使用するときは、印鑑を用意しましょう。印鑑は認印を用意し、シャチハタは避けましょう。
履歴書を作成する上でのマナー
企業から指定がない限り、履歴書は手書きとパソコン入力のどちらも可能です。手書きで書く際は黒のボールペンを使用することが一般的です。消えるペンなどを使用するのは避けましょう。
履歴書を記入していく中で間違えてしまった箇所は基本的に修正してはいけません。新しい履歴書に書き直しましょう。基本的に、履歴書のような正式な書類に修正ペンや修正テープで修正するのはNGです。最初に鉛筆などで下書きをしてから黒のペンで清書することをおすすめします。
企業に提出する新卒の履歴書の書き方:基本情報と学歴
ここからは新卒者向けに、実際の履歴書の記入方法について解説していきます。
履歴書の基本情報の書き方
・氏名
戸籍に登録されている自分の氏名を記入します。
・日付
郵送する日、もしくはメール送信する日を記入します。和暦・西暦は履歴書の中で統一しましょう。
・年齢
送付日の時点での年齢を書きます。
・住所
都道府県名からアパートやマンションの建物名まで略さずに記入します。番地などはハイフンで略さず、「丁目・番地・号」と記入します。ふりがなは都道府県名と市町村名までの記入で大丈夫です。ただし、アパートなどの名称に漢字やアルファベットが入っている場合はふりがなを記入します。
・電話番号
固定電話と携帯電話番号をハイフンで繋げて書きましょう。固定電話がない場合は「なし」と記入すればOKです。
・メールアドレス
読みやすいようにブロック体ではっきりと書きましょう。
履歴書の学歴の書き方
学歴は中学校卒業から遡って記入します。大学の卒業見込みまで書くことを忘れないようにしましょう。学校名は正式名称で記入するのがマナーなので、省略しないようにしましょう。
企業に提出する新卒の履歴書の書き方:自己PR
履歴書の自己PR欄は、自分の強みや実績など自分のこれまでやってきたことをアピールするための大切な要素です。面接では自己PRの内容に沿った質問をされることも多いため、しっかり対策をして良い自己PRを書きましょう。
企業は自己PRの何を見ているのか
企業は、自己PRを通して「学生に自社で活躍するためのスキルや能力があるか」を見ています。自己PRでは自分の持っている色々なスキルや能力のうち、その企業で働く上で生かせそうなものを選んでアピールできると良いでしょう。
自己PRの内容の組み立て方
・応募先の企業が求めるスキルに合致する内容をアピールする
まず重要なのは、自分がアピールする内容が応募先の職種の求める人材像に合致しているかという点です。例えば営業職ならコミュニケーション力などの対人スキル、技術職ならその職種で生かせそうな研究内容や知識に関するスキルなどをアピールしましょう。
・具体と抽象を駆使しつつ、定量的にデータを補強する
また、「具体と抽象」を意識することも大切です。「私は人とコミュニケーションをとることが得意です。」と抽象的なことを述べた後に、それを裏付ける具体的なエピソードを挿入します。
また、エピソードを定量的に補強することも重要です。「バイト先のカフェの売上を30%アップさせました」「3,000名の観客を集客しました」「準備の時間を20%削減しました」など、具体的な数字を使って自分の成果をアピールしましょう。
・「結果」だけでなく、「過程」が大事
「とは言ってもそんなにすごい結果を出していない・・・。」と心配しなくても大丈夫です。企業はすでに完成された人材を求めているだけではなく、これからの伸び代があるかどうか、考え方や人間性が自社に合致しているかどうかを選考の過程で判断します。立派な成果を出すことも大事ですが、なぜ自分がその行動をしたか、なぜ頑張ることができたのか、自分の思考の過程をしっかりアピールしましょう。
PREP法を活用した自己PRの具体例
自己PRを書くにあたって参考になるものの一つとして、PREP法というものがあります。PREP法とは「わかりやすい説明」をするための構成のことであり、Point(結論)Reason(理由) Example(具体例)Point(結論)の頭文字をとったものです。
つまり、PREP法を使用した主張は以下のような構成になります。
・まず結論を述べる
・その結論に至った理由を述べる
・その理由を補強するための具体例を述べる
・最後にもう一度結論を述べる
PREP法を使った自己PRの具体例を考えてみましょう。
・私の強みは、分析力があることです。(結論)
・何か問題が発生した時に、その原因を追求し適切な対策をとることができます。(理由)
・在学中にアルバイトをしていたカフェでは、おしゃれなランチや魅力的なスイーツを提供していましたが、日中の利用客が増えず売り上げが伸びないという問題点がありました。私はカフェの近くに児童館や図書館があり、小さな子どもを連れた主婦の往来が多いという点に気づき、子どもと取り分けのしやすいうどんやお子様ランチなどのメニューを増やす提言をしました。更にベビーカーでも移動しやすいように店内の座席の配置を変えるなどの工夫もしました。その結果口コミを通して子連れ客の来店が急増し、ランチ時間の売り上げが前年比で20%増えました。店長からも頼りにされ、2年目からはバイトリーダーも任されました。(具体例)
・以上の理由から、私はどんな問題が起こっても冷静にその原因を追求し、解決のために適切な方法を探る能力があると考えています。(結論の言い直し)
企業に提出する新卒の履歴書の書き方:志望動機
履歴書の志望動機欄は、同業他社など多種多様な企業がある中でなぜこの企業を選んだのかをアピールするための大切な要素になります。また、志望動機はどれだけ応募先の企業のことを勉強しているかを測られる箇所でもあります。自己PRと同じく、面接の場でも志望動機の内容に沿った質問をされる可能性が高いので、しっかり内容を精査して書きましょう。
企業は志望動機の何を見ているのか
企業は、志望動機を通して「学生が実現したいことや持っている価値観が自社に合っているのか」という点を見ています。せっかく学生が優れた能力を持っていても、それが生かせない職種であればどれだけ優れた志望動機を書いても意味がありません。また、なぜその企業を選んだかという部分を質問することで、学生がどれだけ企業/業界研究をしてきたかが分かり、「志望度の高さを測る基準」になります。学生が自社で活躍できる人材なのか、志望度が高い状態で応募しているのかを見分ける方法の一つが志望動機なのです。
志望動機の組み立て方
・まず、企業研究をしよう
志望動機を書き始める前に、企業の事業内容や業界の流れを理解することで、自分が魅力に思う点を深掘りしましょう。同業他社と志望する企業は何が違うのかを理解し、業界の構造や動向がどうなっていくのかを把握しましょう。企業や業界に関する最新のニュースやプレスリリースもチェックしておきましょう。
・自分の仕事選びの軸を探そう
志望動機の動機づけで大切なのが「仕事選びの軸」です。仕事を通してどんなことを実現したいのか、自分の持っているどんなスキルを活かしたいのか、箇条書きで良いので書き出してみましょう。
また、仕事はこれからの長い人生に大きく影響してくる要素なので、自分の人生において大切にしていることなども書き出してみましょう。そして重要なのが、なぜその価値観や考えを持つに至ったかという過程です。その価値観や考えを持つに至ったエピソードもまとめておきましょう。エピソードについては、前述の自己PRの組み立て方でもお伝えした「具体と抽象」、「過程に重きを置く」という点を意識して書きましょう。
自分の仕事選びの軸と、企業の持つ特色が交わる部分を志望動機にできると良いですね。
起承転結を利用した志望動機の具体例
ストーリーや文章を分かりやすく伝えるための構成として有名なのが起承転結です。志望動機は自分自身の経験から学んだことを志望する企業で働きたい理由につなげるという、一種のストーリーのようなものなので、起承転結を用いて分かりやすく書きましょう。
・「起」でこれから話す自分の経験を簡潔に伝える
・「承」でその内容を膨らませる
・「転」で話を展開させる
・「結」で結論をまとめる
このテクニックを使って志望動機の具体例を考えてみましょう。
・私は小さな頃から父親の仕事の都合で海外を転々とする生活をしていました。(自分の経験)
・国は違えど、どこに行っても日本車が走っており、現地の人の「日本の車は丈夫で走りやすい」という言葉に誇りを持ち、それが異国で心細くなった時の心の支えになりました。(内容を膨らませる)
・いつしかその気持ちは「自分も良い車を開発して日本の良い製品を世界に広めたい」という思いに変わり、自動車メーカーで働くことが夢になりました。(内容の展開)
・世界中の人の生活を支えている御社のクルマづくりの一端を担いたいと思い、外国で暮らして培った積極性を活かしながら御社で活躍したいです。(結論)
魅力的な履歴書を書いて企業に志望度の高さをアピールしよう!
自己PRも志望動機も、「自分はこんなスキルがあり、こんな考え方を持っています」と企業にアピールする大切な材料です。企業が求める人材像に対して、自分はどの程度その要件を満たしているのかをアピールするために、本記事を参考にしながら自信を持って履歴書を書いてみてください。
- PREPや、起承転結などのフレームワークが便利!
- 基本情報においてはケアレスミスが多いので注意しましょう。
編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。
監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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