履歴書の送付状の書き方は?|見本付きで基本マナーと注意点を解説

この記事では履歴書に添付する「送付状」の書き方について解説しています。
送付状は、応募書類の概要を伝える大事なビジネス文書であり、採用担当者への挨拶状の意味も兼ねています。
マナーに沿って、必要事項をわかりやすく記載することが大切です。書き方のルールを押さえ、自分らしい一言を添えて作成してみましょう。
履歴書に送付状が必要な理由

同封している書類を知らせるため
送付状には、応募書類の概要を採用担当者に伝える目的があります。
必要な書類が揃っているかひと目で確認できるように、体裁を整えて作成するのがコツです。
「誰から誰に」「何のために」「何の書類を何枚同封しているのか」がわかるように綺麗にまとめましょう。
履歴書・職務経歴書の補助ツールになる
送付状は、メインとなる履歴書・職務経歴書の補助ツールとなります。
自己PRや志望動機などを一言添えることで、内容の要約や補足を行うことができます。
封筒から書類を出したときに1番最初に目にする書類なので、採用担当者の興味を引く工夫をしてみましょう。
送付状を書くときの基本ルール
送付状はA4サイズ1枚にまとめる
履歴書や職務経歴書などの書類を企業へ郵送する場合には、挨拶文である「送付状(添え状)」を添付するのがビジネスマナー です。
一般的なビジネス文書はA4サイズなので、送付状の用紙サイズもそれに合わせてA4で作成しましょう。
また、送付状はあくまで応募書類をサポートするものなので、内容は1枚にまとめるのが基本です。
限られたスペースに情報をまとめる能力もビジネスにおいては重要視されるので、1枚の用紙に必要事項をバランスよく、読みやすくまとめましょう。
PCで作成する場合は横書き
送付状をパソコンで作成するときは、横書きが一般的です。
履歴書や職務経歴書も基本的に横書きなので、書き方を統一します。
使用するフォントは明朝体やゴシック体などベーシックなものを選び、不必要な装飾は避けましょう。
さらに、適宜改行することですっきりと見やすい送付状になります。
手書きの場合は縦書き
送付状を手書きする場合は、縦書きで作成しましょう。
目上の人や改まった相手に手書きの文書を提出する場合、縦書きがマナーとされているからです。
用紙は、無地や罫線だけが入ったシンプルなものがおすすめです。
文字の大きさや配置をチェックしながら、全体のバランスに気をつけて作成しましょう。
文体は「です・ます」調にする
送付状に書く文章は、必ず「です・ます」調で記載しましょう。
もし、履歴書や職務経歴書を「だ・である」調で書いていたとしても、送付状は「です・ます」調にしておくのが適切です。
送付状では時候の挨拶や確認のお願いをしなければならないため、「だ・である」調で書いてしまうと高圧的で失礼な印象を与えてしまいます。
送付状・添え状の書き方【見本付き】

送付年月日
送付状には、応募書類を「投函する年月日」を記入します。書類を作成した日ではないので注意しましょう。
年月日は、用紙の右上に書くのがビジネスマナーです。
省略せずに「◯年◯月◯日」とはっきり記載しましょう。
西暦、和暦どちらを使っても問題ありませんが、同封する履歴書と合わせるのがベストです。
宛名
応募先の企業名、採用担当者の部署名、氏名を書きましょう。
宛名は、用紙の左上に記載するのが基本です。
会社名は必ず正式名称で書きます。株式会社を「(株)」と省略するのもNGです。
宛先が部署の場合は「御中」、担当者の氏名が分かっている場合は「様」を使います。
宛名の間違いは大変失礼にあたり、採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。正しい宛名を確認してから記載しましょう。
自分の氏名・住所・連絡先
誰から届いた書類かひと目でわかるように、自分の住所、氏名、連絡先を明記しましょう。
自分の氏名・住所・連絡先は、用紙の右側に寄せて記載します。
住所は、郵便番号も忘れずに載せてください。
連絡先は、携帯電話の番号とメールアドレスを記載します。
応募企業から連絡が来る可能性も踏まえて、連絡のつきやすいものを書きましょう。
頭語・時候の挨拶・相手の発展を喜ぶ言葉
送付状は、挨拶から始めるのがビジネスマナーです。
「頭語+時候の挨拶+相手の発展を喜ぶ言葉」で構成するのが基本です。
例えば「拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」のように書きます。
時候の挨拶は省略することも可能です。入れる場合は、その月によって使える言葉が異なるので注意しましょう。
手紙ではなくあくまでビジネス文書なので、シンプルな定型文がおすすめです。
用件・本文・自己PR
何のための書類を送ったのかひと目でわかるように「応募書類の送付につきまして」など、内容がわかるひと言を添えると親切です。
用件を伝えたら、簡単な自己PRや志望動機を記載します。
長文を書いてしまうと、送付状の役割を分かっていないと思われてしまうかもしれません。
ここでは3~4行程度に収め、詳細はその他の応募書類で伝えるようにしましょう。
最後に面接を受けたい旨を添え、「何卒よろしくお願いします」と締めくくります。
頭語に「拝啓」を使った場合は、結語として「敬具」を右に寄せて書きましょう。
同封した書類の種類・部数
用紙の中央に「記」と書き、その下に同封した書類の種類と部数を箇条書きで明記します。
「履歴書 1部」「エントリーシート 1部(全2枚)」のように、枚数がわかるように書きます。書く順番は、クリアファイルに入れる順番と同じにするのがベストです。
全てを書き終えたら、右下に「以上」と書いて文書を締めます。これ以降は何も書かないようにしましょう。
履歴書の送付状を書く際の注意点
誤字脱字に気を付ける
送付状は、ビジネス文書であり、採用担当者への挨拶状も兼ねています。
誤字脱字があると「仕事でもケアレスミスが多いのでは」とマイナスな印象を与えてしまうかもしれません。
特に、会社名や担当者名を間違えるのは絶対に避けたいミスです。間違いがないか、封筒に入れる前に必ず確認しましょう。
応募書類の一番上に重ねる
送付状は、応募書類の「目次」のような位置づけです。
封筒から書類を出したときに、誰の何の書類なのかすぐわかるよう、応募書類の一番上に重ねましょう。
上から、送付状、履歴書、職務経歴書、その他の応募書類の順に重ね、クリアファイルに入れたものを封筒に収めるのがビジネスマナーです。
定型文のみはNG
送付状は定型的な表現が多いため、ネットで見つかるテンプレートや定型文をそのまま流用してしまいがちです。
しかし、定型文だけで構成された送付状は思いが伝わりにくく、自分自身のアピールの補足としても効果が薄くなってしまいます。
また、採用担当者は多くの応募書類に目を通しているので、全く同じ言い回しの書類があるとテンプレートの流用に気付かれ、志望意欲を疑われる可能性があります。
そのため、大枠は定型文を参考にしつつも、細かな部分はオリジナルの表現にすることが重要です。
希望条件は書かないようにする
送付状に短い自己PRを記載することは問題ありませんが、年収や勤務地などの希望条件を書くのはマナー違反です。
希望がある場合は、送付状ではなく、履歴書の本人希望欄などに記入するようにしましょう。
また、転職回数が多い場合や、1社あたりの在籍期間が短い場合など、送付状に前もって理由を書きたい場合もあるかもしれません。
しかし、内容によっては採用担当者に「言い訳」と捉えられてしまうリスクがあります。どうしても伝えたいときは、履歴書や職務経歴書に書くか、面接で説明できるよう準備しておくと良いでしょう。
履歴書を送るときは必ず送付状も添えよう
送付状の添付を企業から指定されることは少ないですが、一般的に送付状はビジネスにおいて必須の書類です。
また、他の応募書類では説明しきれなかったアピールの補足も行えるため、選考を有利に進めるためにも必ず作成して添付しましょう。
送付状を適切なフォーマットで作成することで、社会人としての常識を理解しているという点のアピールにも繋がり、良い第一印象を与えられます。
- 送付状はA4サイズ1枚に収め、PCは横書き、手書きは縦書きで書こう
- 簡単な自己PRを添えて、履歴書の補助ツールとして活用しよう
- 提出するときには、送付状は書類の1番上に置こう


編集者
Yuka
2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者
gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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