在職中に転職活動を始めたものの、履歴書の職歴欄にどう書けばよいか迷っていませんか。「在職中」と「現在に至る」の使い分けや退職予定日の記載ルールなど、細かいポイントが意外と多いのが実情です。
書き方を誤ると「すでに退職済み」と判断され、選考スケジュールにズレが生じるケースも少なくありません。
本記事では、履歴書に「在職中」と書く意味からケース別の記入例、本人希望欄の活用法、好印象な志望動機の作り方まで幅広く解説します。
履歴書に書く「在職中」とは?

在職中の表記は「応募者の状況」を企業に伝えるためのもの
「在職中」とは、現在も会社に在籍して働いている状態を指す言葉です。履歴書の職歴欄に記載することで、応募者が今どのような就業状況にあるかを企業へ正確に伝える役割を果たします。
採用担当者は、応募書類を通じて「すぐに入社できる人材なのか」「退職日は決まっているのか」を確認しています。職歴欄に在職中であることが明記されていないと、離職中と誤解されてしまうケースも少なくありません。
選考をスムーズに進めるためにも、記入時点の就業状況は偽りなく書くのが基本です。
連絡・面接・入社日の判断基準にもなる
「在職中」の記載は、採用担当者が選考の進め方を決める判断材料にもなります。応募者が現在働いていると分かれば、連絡を取れる時間帯や面接の日程を配慮してもらいやすくなるでしょう。
また、就業状況は入社時期の調整にも影響します。すでに退職済みであれば即入社が可能ですが、在職中であれば引き継ぎや退職手続きの期間が必要です。
採用担当者は応募者の事情を考慮した上で選考スケジュールを組むため、正確に状況を伝えることが大切です。
「在職中」と「現在に至る」は同じ意味で使える
履歴書において「在職中」と「現在に至る」は同じ意味を持つ言葉として扱われます。どちらの表現を使用しても、選考において不利になることはありません。
厚生労働省が公開している履歴書の様式例や、ハローワークの作成ガイドラインにおいても、働きながら応募する場合は「現在に至る」と記載することが一般的とされています。
基本的には職歴の最終行に「現在に至る」と書き、その下の行に右寄せで「以上」と記載して職歴を締めくくるのが基本のルールです。
【ケース別】履歴書における「在職中」の書き方
退職予定日が決まっている場合

引用:ソラジョブ医療事務
退職予定日が既に決まっている場合は「現在に至る」の横に退職予定日を記載します。具体的な日付を明記することで、企業側は応募者の入社可能なタイミングを正確に把握できます。
書き方としては「現在に至る(〇年〇月〇日退職予定)」のように括弧書きで添えるのが一般的です。退職日が明確になっていると、入社日の調整がスムーズに進むというメリットがあります。
すでに会社側と退職交渉を終えている場合は忘れずに記載しましょう。
退職予定日が未定の場合

引用:ソラジョブ医療事務
退職予定日が決まっていない場合は、特別な追記をせずに「現在に至る」のみを記載するのが基本です。嘘の日付や不確実な予定を書いてしまうと、後々スケジュールが合わずにトラブルへ発展する恐れがあります。
採用担当者から面接で退職時期について質問された際に、現在の進捗状況を口頭で丁寧に説明すれば問題ありません。入社への意欲を示すためにも、内定後どれくらいの期間で退職できそうかという目安は面接前に整理しておくことが大切です。
有給消化中の場合

引用:ソラジョブ医療事務
退職前の有給消化中であっても、正式な退職日を迎えるまでは法的に企業へ在籍している状態です。そのため、履歴書の職歴欄には「現在に至る」と退職予定日を記載するのが正しい書き方となります。
退職予定日を記載する際は最終出社日ではなく、雇用契約が満了する退職日を書きましょう。「有休消化中」とあえて書く必要はなく、現在の就業状況だけを書けば十分です。
スケジュールの融通が利くことを伝えたい場合は、本人希望欄に「現在有給消化中のため、面接日程は柔軟に対応可能です」と添えるのがおすすめです。入社日の前倒しにも応じやすい状況が伝わり、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
アルバイト・パートの場合

引用:ソラジョブ医療事務
アルバイトやパートとして働いている場合も、在職中の書き方は正社員と基本的に同じです。職歴欄に入社年月と企業名を記載し、次の行に「現在に至る」と書きましょう。
ただし、正社員とは異なり、雇用形態の明記が必要です。企業名の横に「(アルバイトとして入社)」「(パートとして入社)」とカッコ書きで添えることで、採用担当者に雇用形態が一目で伝わります。
また、応募先の業種に関連する業務経験がある場合は、担当業務を簡潔に記載しておくとアピール材料になります。派遣社員や契約社員など他の非正規雇用で働いている場合も、同様の書き方で問題ありません。
雇用形態に関わらず、現在就業中であるという事実を正確に伝えることが大切です。
アルバイト・パートを掛け持ちしている場合

引用:転職Hacks
複数の勤務先がある場合は、時系列順に入社と退職の情報を記載しましょう。採用担当者が、いつからどの職場で働いているかを整理しやすくなります。
過去の勤務先情報をすべて書き出し、現在も働いている職場にはそれぞれ「現在に至る」と記入します。1か所でも在籍していれば、最終行で現在進行形であることを示すのがルールとなります。
複雑な経歴であっても、見やすく整理して記載することで、書類作成能力の高さも同時にアピールできるでしょう。情報の見やすさは、ビジネススキルの証明にもなります。
フリーランスの場合

引用:パソナキャリア
フリーランスの場合は、「在職中」や「入社・退社」という言葉は使いません。企業に雇用されているわけではなく、個人で事業を行っている状態であるためです。
開業届を出しているなら「個人事業主として開業」、出していないなら「フリーランスとして活動を開始」と記載します。事業が継続していることを示すために、最後の行に「現在に至る」と記入して状況を伝えましょう。
フリーランスの場合、企業名から事業を調べることができないため、業務内容を簡潔に添えておくと効果的です。
休職中の場合

引用:リクルートエージェント
休職中であっても企業に籍を置いている以上は「現在に至る」と記載するのが正しい書き方となります。
休職している事実を履歴書に記載する義務は原則としてありません。ただし、復職ではなく転職を選ぶ理由や現在の健康状態については、面接の場で確認される可能性が高いです。
入社後の業務に支障がないことをしっかりと説明できるよう、あらかじめ前向きな回答を準備しておくことが求められます。療養のために休職中である場合では、診断書も持参すると信頼感があります。
ダブルワークを希望している場合

現在の仕事を続けながら新しい職場で働くダブルワークを希望する場合も「現在に至る」と記載します。応募先の企業に対して、副業や兼業を前提としていることを明確に伝える必要があります。
在職中であることを明記した上で、本人希望欄などにダブルワークを希望する旨を記載すると親切です。勤務可能な曜日や時間帯を具体的に明記しておくと、採用担当者もシフトや業務の調整がしやすくなります。
ダブルワークは保険や勤務日数の調整など、企業側の配慮も必要となる働き方です。双方のミスマッチを防ぐためにも、履歴書の中に必ず「ダブルワーク希望」の旨を書いておきましょう。
「在職中」を書く行が足りなくなった場合の書き方

引用:doda
職歴欄が足りない場合は、書き方を工夫して行数を節約しましょう。職歴を省略したりすると経歴詐称と見なされる恐れがあるため、なるべく避けるべきです。
まずは、「現在に至る」と「以上」を同じ行にまとめることで、1行分のスペースを確保できます。さらに、2行以上にわたっている部分を短くまとめ、1行に収めるなどの調整も有効です。
詳しい業務内容については職務経歴書にまとめることができるので、履歴書では簡易的な表記にとどめても問題ありません。与えられた枠内で情報を整理する工夫が求められます。
在職中は「本人希望欄」も活用しよう

引用:すべらない転職
「連絡可能時間」を伝えると親切
働きながらの転職活動では、本人希望欄に連絡がつきやすい時間帯を記載しておくと親切です。日中は業務で電話に出られない応募者が多いため、企業側もいつ連絡すべきか迷うことがあります。
「平日の〇時〜〇時は就業中のため電話に出られません」や「〇時以降であれば電話対応が可能です」と具体的に明記します。このように、あらかじめ状況を伝えることで、企業とのスムーズなやり取りが実現し、好印象を与えるきっかけにもなるでしょう。
「入社可能時期」を簡潔に書く
「いつから働き始められるか」という情報は、本人希望欄に簡潔に記載するとスムーズに選考を進められます。
企業側は欠員補充や増員のために採用計画を立てています。退職予定日が確定していなくても、「内定から1か月後に入社可能です」のように、目安となる時期を提示することが望ましいとされています。
具体的な見通しを伝えることで、企業側も安心して選考を進められます。引継ぎ期間を考慮した現実的なスケジュールを記載することが大切です。
職歴に「在職中」と書くときの注意点

「在職中」と「以上」は別行に書く
「現在に至る」と「以上」は、それぞれ別の行に書くのが正式なマナーです。「以上」には「これ以上の職歴はありません」という意味があり、第三者による書き足しを防ぐ役割も担っています。
「現在に至る」は左寄せ、「以上」は右寄せで記載するのが基本の配置です。スペースが足りない場合に限り、同じ行にまとめても問題はありません。
なお、厚生労働省が2021年に公表した履歴書の様式例でも、職歴欄の最後に「以上」を記載する形式が採用されています。
「在職中」「現在に至る」はどちらかで統一する
「在職中」と「現在に至る」は同じ意味ですが、1通の履歴書の中で混在させるのは好ましくありません。どちらか一方を選び、履歴書全体で統一するのがマナーです。
よくあるミスとして、職歴欄に「在職中 現在に至る」と書いてしまうケースがあります。表記の意味が重複しているため、履歴書の作成ルールを理解していない印象を与えかねません。
採用担当者は書類の完成度も評価のポイントとしているため、細かな表現にも気を配ることが大切です。
退職予定日が未定の場合は無理に書かなくてOK
退職予定日が確定していない段階で、仮の日付を記載するのは避けましょう。実際の退職日と異なった場合、企業からの信頼を損ねる原因になりかねません。
退職予定日が未定の場合は、職歴欄に「現在に至る」とだけ書き、入社時期の目安は本人希望欄や面接時に伝えるのが安全です。企業側も、退職日をすぐに確定させるのが難しいことは十分に理解しています。
焦って不確かな情報を書くよりも、正確な状況を伝えることを優先しましょう。
「退社」ではなく「退職」を使う
履歴書で退職にまつわる記述をする際は、「退社」ではなく「退職」を使うのが適切です。「退社」は「会社を退出する(帰宅する)」という意味でも使われるため、経歴の表現として適切ではありません。
退職予定日を記載する際は「退職予定」、過去の経歴を書く際は「一身上の都合により退職」のように、「退職」で統一します。転職回数が複数回ある場合でも、すべて「退職」と表記するのが正しいビジネスマナーです。
「退社予定日」ではなく「退職予定日」と書く点も、見落としやすいポイントのため注意しましょう。
在職中だからこそ書ける!好印象な志望動機の作り方

辞めたい理由より「挑戦したい理由」を重視して書く
志望動機では、現職への不満ではなく「応募先で挑戦したいこと」を中心に書くのが鉄則です。「給与が低い」「人間関係が悪い」といったネガティブな退職理由は、採用担当者に「同じ理由でまた辞めるのでは」という不安を抱かせます。
過去の不満が理由であっても、未来への意欲に変換する意識が大切です。「給与が低い」なら「専門スキルをさらに高められる環境で成長したい」、「人間関係の問題」なら「チームで成果を追求する風土に身を置きたい」など、前向きな表現に言い換えましょう。
その会社でなくてはならない理由を明確にする
どの企業にも当てはまるような汎用的な志望動機は、採用担当者の心に響きにくいものです。応募先の企業理念や事業内容、独自の強みを調べた上で「なぜその会社でなければならないのか」を具体的に示しましょう。
企業のコーポレートサイトや求人情報には、事業の方向性や大切にしている価値観が記載されています。自分の経験や目指すキャリアと結びつけて述べ、熱意と説得力を高めましょう。
「貴社の○○事業に将来性を感じ、私の△△の経験を活かせると考えました」のように、具体性のある一文を入れるのが効果的です。
現職で得たスキルや資格をアピールする
在職中の転職者は、実務的なスキルをリアルタイムで活かしている点が大きな強みです。離職期間がなく最新の業務経験を持っていることは、即戦力として期待される理由にもなります。
アピールの際は、実績を数字で示すとインパクトが増します。「売上を前年比120%に伸ばした」「チームの業務効率を30%改善した」など、定量的な成果を伝えるのがポイントです。
また、職務に活かせる資格も同様にスキルの裏付けになるでしょう。取得済みの資格だけでなく、現在勉強中の資格があれば「○○資格の取得に向けて学習を継続中です」と記載しておくのも効果的です。
応募企業で活かせる経験を紐づける
自分のスキルや経験をただ羅列するだけでは、採用担当者に「結局何ができるのか」という点が伝わりません。
大切なのは、応募先の業務内容や課題と自分の経験を結びつけて伝えることです。求人情報に記載された仕事内容や求める人物像をよく読み込み、自分のどの経験がどのように役立つかを具体的に書きましょう。
「前職での法人営業の経験を、貴社の新規事業開拓に活かしたいと考えております」のように、職種や業務を明確にした表現が効果的です。
在職中だからこそ語れる「現在進行形の経験」は、退職後の応募者にはないアドバンテージといえるでしょう。
履歴書における「在職中」の書き方をしっかり理解しておこう!
履歴書の職歴欄に「在職中」や「現在に至る」を正しく記載することは、採用担当者にスムーズに状況を伝える上で欠かせません。
退職予定日が確定している・有給消化中・ダブルワーク中など、状況に応じた書き分けを意識しましょう。
また、履歴書には在職中ならではの効果的な書き方もあります。本人希望欄で入社可能時期の目安を伝えたり、志望動機で現在進行形の経験を述べたりすることで、より良いイメージを与えられるでしょう。
「在職中」や「現在に至る」といった表記の正しい書き方を押さえて、自信を持って転職活動に臨みましょう。











