• TOP
  • >
  • 記事一覧
  • >
  • 履歴書 書き方
  • >
  • 履歴書の賞罰欄とは?ない場合は何を書く?正しい書き方と賞罰の基準も紹介

履歴書の賞罰欄とは?ない場合は何を書く?正しい書き方と賞罰の基準も紹介

企業が指定する履歴書を使用する場合、賞罰欄が設けられていることがあります。賞罰欄には、アピールしたい内容を自由に書いても良いわけではありません。しっかりと内容を理解し記述しないと、企業に提出する書類として不適格です。

また、虚偽があることが判明すれば、内定取り消しや懲戒処分に至る可能性もあるため、十分な注意が必要です。

この記事では、履歴書を書く人が記載するべき内容を端的に判断できるよう、賞罰に挙げられる要件の基準を詳しく解説します。賞罰欄が設けられていない履歴書に記載する方法や、該当する賞罰が何もない場合の対処法など、正しい書き方も説明します。

履歴書に書く賞罰とは

賞罰とは「著名な賞・公的な賞の受賞歴」「前科」を示す言葉です。履歴書に賞罰欄がある場合、内容を正しく書く義務があります。基準に該当しない受賞歴を自己判断で載せたり、書くべき前科を省略することはできません。

ただし、国家規格である「JIS規格」の製品には、賞罰を書くべき欄が設けられていません。主にこの規格を採用している市販の履歴書を使用する場合、賞罰の基準を気にかけることはほとんどないでしょう。自身でフォーマットを作成する場合も、あえて賞罰欄を設ける必要はありません。

対応が必要なのは、企業が指定する履歴書フォーマットに記述する場合です。もし賞罰欄があれば、応募者には企業に正しい情報を伝える義務があります。

履歴書に書く賞罰の基準

賞の基準は「全国区または公益性が高い」

履歴書に記載する「賞」は、「全国区または世界的なコンテスト・大会での受賞」または「公益性が高く、行政機関から表彰されたもの」に限られます。

前者は「誰でも知っている賞・大会」と考えるのが適切です。例えば小説の芥川賞・直木賞、日本プロスポーツ大賞などが該当します。認知度の低い賞や、学生が対象の大会などは対象外です。

後者は自治体や警察、消防などからの表彰です。事件や事故を未然に防いだときに贈られる警察の感謝状が身近な例でしょう。部活動や趣味の領域でも、優れた実績がきっかけで、自治体から表彰された場合は基準に該当します。

罰の基準は「前科のうち効力が消滅していないもの」

履歴書に挙げる「罰」は「効力がある前科」です。前科とは、刑事裁判で有罪判決を受けた履歴です。懲役刑、禁固刑、罰金刑が科されたり、交通違反で略式起訴になった場合が該当します。無罪が確定したケースや、不起訴処分、反則金のみで刑事裁判に至らなかった案件は前科と呼びません。

前科は刑の執行終了後、一定期間が経過すると効力が消滅します。懲役刑や禁固刑は10年、罰金刑は5年です。執行猶予の場合、猶予期間の終了をもって刑の効力もなくなります。効力が消滅した前科は、賞罰欄に書く必要はありません。

軽微な違反でも「罰」の記載を指示される職種もある

例外的に「罰」の範囲を広げて記載する職種もあります。バス運転手やタクシードライバー、トラック運転手などの「日常的に運転に関わる職種」です。

通常、刑事裁判(略式起訴を含む)に至らない交通違反は賞罰欄に記載する必要がありません。しかし運転のプロの場合、軽微な交通違反でも看過できません。会社の信用問題にも関わるため、つぶさに申告するよう求める企業が多いのです。

賞罰欄に書く内容を特別に指示された場合は、命令に従う義務があります。「通常は必要ないから」と書かないで提出すると、申告義務違反に問われる可能性があります。

賞罰は転職・新卒で内容が変わる項目ではない

賞罰は転職の場合と新卒の場合とで基準が変わるものではありません。そのため、新卒だからといって、「学生時代の部活の受賞歴」を挙げることはできません。

書ける範囲が狭いため、通常は記載する内容がある人の方が少ないですが、「自己アピール」や「免許・資格」に載せるべき内容を誤って書くと、常識の欠如を疑われる恐れがあります。何もない場合は、「なし」と素直に記述するだけで問題ありません。

履歴書に賞罰を正しく記載する書き方

賞罰欄がある履歴書に「賞」を挙げる

賞罰欄での「賞」の記入例

履歴書に賞罰欄がある場合は、フォーマットに則り記述します。「年」「月」「賞罰の内容」の並びで書くのが通常のスタイルです。内容を書き終えたら、一行空けて右詰めで「以上」と記述しましょう。

賞罰欄がない履歴書に「賞」を挙げる

賞罰欄がない場合の賞罰の記入例

「賞」があれば大きなアピールになるため、賞罰欄のない履歴書にも積極的に記載します。書き入れるべき場所は「学歴・職歴欄」の下部です。職歴の後に一行空けて「賞罰」と記し、内容を記述します。

賞罰欄がある履歴書に「罰」を挙げる

賞罰欄での「罰」の記入例

「罰」の場合、書き方が複雑です。「年」「月」に書くのは刑が終了した日です。懲役刑や禁固刑なら刑期終了日を、罰金刑は罰金を納付した日を書きます。いずれも裁判で刑が確定した日ではないため注意しましょう。

また、それぞれの刑期や罰金の納付を終えたことを示す「終了」も忘れず記述します。

なお、記載事項が「罰」だけであり、履歴書に賞罰欄がない場合は、わざわざ書く必要はありません。選考を受ける企業から指定された場合のみ対応しましょう。

賞罰欄がある履歴書に「賞罰なし」を書く

賞罰欄に書くことがない場合の記入例

賞罰欄がある履歴書は、書く内容がなくとも空欄で提出するわけにはいきません。該当する「賞」「罰」ともになければ、「なし」と記述します。この場合も最後は一行空けて、「以上」と締めることが必要です。

履歴書の賞罰欄に誤って記載しがちな「賞」の例

学生時代の活動での実績

履歴書の賞罰欄には、学生時代の実績は記載しません。インターハイや大学対抗試合で華々しい成績を収めても対象外です。老若男女に広く認知されているとは言い切れず、行政機関から表彰されたわけでもありません。こうした実績は「自己アピール」や「特技・趣味」欄に記載するのが適切です。

ただし、学生時代の活動でも、全年齢対象の大会やコンテストで実績を残している場合は例外です。当該の賞が広く知られていれば、賞罰欄に記入できます。例えば高校時代に音楽の国際コンクールで金賞を受賞したのであれば、賞罰欄に書くべき要件となります。

団体競技での実績

全国区または国際的なコンテスト・大会での受賞でも、団体の受賞歴は対象外です。履歴書に書けるのは個人の実績のみです。団体での役割や貢献をアピールするには、「自己アピール」欄や、エントリーシートの「ガクチカ」を利用します。

団体の一員として活躍したことが広く地元で認知され、自治体から功労賞や市民賞が個人に贈られた場合は、賞罰欄に記載できます。

学校や会社での表彰

高校や大学、会社での表彰も賞罰欄に書くのは不適切です。内輪の表彰で、広く社会に知られるものではありません。高校や大学からの表彰は「自己アピール」欄に、会社での表彰は職務経歴書に書くのが適切です。

賞罰欄で取り上げると、せっかくのアピール材料が台無しになりかねません。常識の欠如を疑われ、評価を下げるきっかけにもなります。

履歴書の賞罰欄に誤って記載しがちな「罰」の例

刑事罰にならない交通違反

履歴書に書く「罰」は刑事裁判(略式起訴を含む)が行われるものに限ります。軽度な交通違反は、反則金を納めるだけで刑事裁判が行われないため、賞罰欄に書く必要はありません。

例えばスピード違反の場合、一般道で30km/h以上、高速道路で40km/h以上で刑事罰の対象となる赤切符が切られます。この場合、略式起訴が刑事裁判の代わりとなるため、賞罰欄に書く必要があります。反則金を納めるだけの青切符は、記載の対象外です。

会社での懲戒処分

会社で受けた懲戒処分は賞罰欄に書く必要はありません。企業独自の基準で下された判断で、刑事罰ではないからです。ただし犯罪を理由に懲戒処分が下った場合は、刑事罰の範疇です。刑事罰の側を記載する必要があります。

なお懲戒処分は履歴書に記載する必要がないだけで、「隠しても良い」こととイコールではありません。面接で言及された場合は、正直に処分内容を伝える義務があります。

5年を経過した罰金刑

「罰」は効力がある内容に限られます。罰金刑は納付から5年が過ぎると効力が消滅するため、賞罰欄に記載する必要はありません。ただし、5年の間に裁判または略式起訴で再度罰金刑が科された場合、新たに罰金を納付した日から5年間の効力が生じます。その間は賞罰欄に記載しなければなりません。

なお懲役刑・禁固刑の効力消滅は、刑期終了から10年です。期間を勘違いすると、意図せず履歴書を偽装することになります。前科がある人は効力の消滅時期に留意が必要です。

履歴書には賞罰を書く義務がある?

履歴書に賞罰欄がないなら書く必要はない

市販されている履歴書の多くは、賞罰欄を設けていません。賞罰欄がない履歴書を使用する場合、あえて記載する必要はありません。書く必要があるのは、企業指定の履歴書フォーマットに賞罰欄がある場合と、企業から賞罰を書くよう指定された場合に限ります。

賞罰欄がある履歴書には偽りない情報を書く

賞罰欄のある履歴書には、事実を偽らずに記載しましょう。企業が賞罰を書かせるのは、応募者の前科を知るためです。

企業の知りたいことに正直に答えないと、信頼関係に大きな傷をつけます。特に前科の詐称は申告義務違反に問われる可能性が高く、入社前なら内定の取り消しに、入社後なら懲戒処分を下されるでしょう。

アピールしたい賞があるなら欄がなくても記入する

賞罰欄は目立つ場所にあります。ひと目でアピールできるため、記載できる賞があれば積極的に活用するべきです。履歴書に賞罰欄が設けられていない場合、学歴・職歴の下に「賞罰」と書けば記載できます。

学歴や職歴を確認する流れで能力や努力を伝えられるのは、就活で大きなアドバンテージとなります。採用担当者の目を引く履歴書となり、書類をじっくり読んでもらえる可能性が高まるでしょう。

賞罰欄は書くべき基準を理解して漏れのない記載を心がけよう

「賞」は採用を後押しする道具になる反面、「罰」は就職の障壁になり得ます。前科がある人は、「前科のせいで就職できない」と気が重くなるかもしれません。

しかし賞罰を書くよう求められた場合、従わない選択肢はありません。就職後に詐称が露呈すると懲戒免職になる恐れがあり、より困難な状況に追い込まれます。事実を正直に記載した上で、面接で反省や学びにフォーカスするのが賢明です。

賞罰欄に書くべき基準を理解し、伝えるべき内容をしっかり記載するよう心がけましょう。

らくだ先生
賞罰欄の書き方のポイント
  • 「賞」には公的な入賞・受賞歴、「罰」には前科を書く
  • 賞罰欄に書くことがないときには「なし」と必ず記入しよう!
  • 賞罰の詐称は後に発覚すると大きな問題になるため絶対にNG!
「魅力的な履歴書を、手軽に作成したい。」そんなあなたに届ける履歴書作成ツール カンタン操作で、履歴書を作成 今すぐはじめる
編集者

編集者

Yuka

2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者

監修者

gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

>メッセージを読む

履歴書 書き方についての関連記事