履歴書の希望職種は志望動機や自己PRに比べると軽視されがちですが、応募先の企業側からすると見逃せない重要な項目のひとつです。入社意欲をアピールするためにも、忘れずに記入しましょう。
本記事では履歴書の希望職種に何を書くべきなのかを詳しく解説します。正しい記入方法や本人希望欄との違い、ケース別の希望職種の書き方についても紹介しています。
希望の配属先に採用されるよう、正しい書き方を理解しておきましょう。
履歴書の希望職種はこう書けばOK!

希望職種は、「希望職種欄」または「本人希望欄」に書くのが一般的です。求人票に記載されている職種やポジションの正式名称を1行で簡潔に記載します。
「営業」であれば「営業を希望します」、「経理」なら「経理事務を希望します」とシンプルにまとめることがポイントです。
事前に希望職種を伝えておくことで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。希望職種が特に無い場合は「貴社の規定に従います」と記載しておけば問題ありません。
履歴書の「希望職種」とは何を書く?

希望職種とは「就きたい職種を具体的に示す」もの
希望職種とは言葉の通り、応募者が「就きたい職種を具体的に示す項目」です。履歴書では、営業職・事務職・エンジニアなど、就きたい職種を具体的に記入します。企業側は応募者の希望と適性を確認したうえで配属先や選考の方向性を検討します。
ただし、希望する職種を自由に書いていいというわけではありません。企業が募集している職種を確認し、募集要項に記載されている職種の中から記入しましょう。
募集を中止していたり、受け付けていない職種を記入してしまうと、募集要項を確認していないと受け取られる可能性があるので注意しましょう。
基本は「本人希望欄」に記載する
履歴書に「希望職種欄」がない場合は、「本人希望欄」に希望職種を記入するのが一般的です。
本人希望欄は、入社日や勤務時間・勤務地などに関する希望を企業に伝えるための項目です。そのため、職種に関する希望も同様に含められます。
希望職種は選考を進める上でも重要な判断材料になるので、本人希望欄の一番最初に書いておくと印象に残りやすいでしょう。
「希望職種欄」がある場合は欄内に記載する
履歴書に「希望職種欄」が設けられている場合は、欄内に記入します。希望職種欄に記入するのは「職種」のみとし、入社日や勤務時間等の他の要望は「本人希望欄」を使用します。
希望職種がない場合は「特になし」でも間違いではありませんが「貴社の規定に従います」とする方が丁寧な印象です。
希望職種をわざわざ書かなくても良いケースがある
応募できる職種が一つしかない場合は、希望職種を書く必要はありません。また、「営業希望なら営業部」「経理事務なら事務課」など、職種ごとに書類の提出先が分かれている場合も希望職種は書かなくても問題ないとされています。
ただし、あえて希望職種を書き、熱意を伝えるアピール方法もあります。履歴書の完成度を高めたい場合は、希望職種を書いておくのも一つの選択肢として有りでしょう。
履歴書における希望職種の書き方のポイント
【希望職種を書く際のポイント】
- 求人票に記載されている正式名称で書く
- できるだけ簡潔にまとめる
- 希望を主張し過ぎない
- 文章で書くとより丁寧な印象になる
求人票に記載されている正式名称で書く
希望職種を履歴書に書く際は、求人票に記載されている正式名称を記入しましょう。
「一般事務」を「事務」と略したりするのは望ましくありません。企業側の表記に合わせて履歴書に記載するのがマナーです。
求人票と異なる職種名を記載してしまうと、希望が正確に伝わらず配属のミスマッチが起こる可能性があります。また、企業側にも求人票をよく確認していないと思われてしまう恐れがあるので注意しましょう。
できるだけ簡潔にまとめる
希望職種を記入する際は、できるだけ簡潔にまとめましょう。希望職種を書くスペースは限られており、長々と記入してしまうと読みづらくなってしまいます。
志望理由を書いておくことで熱意をアピールできるかもしれませんが、適度な文章量にしておくのが無難です。志望理由は別途に設けられている志望動機の欄に記入しましょう。
希望を主張し過ぎない
希望職種欄には何でも自由に書いていいというわけではありません。企業のことを考慮せず、自分の都合だけを述べるのは自分勝手な印象につながります。
「営業以外の部署はNGです」「独立のため経営を学べる部署を希望します」など、自分本位さが際立つ書き方は避けましょう。希望はしっかりと伝えるべきですが、「最終的には御社の判断に従います」という柔軟な姿勢を見せることも大切です。
文章で書くとより丁寧な印象になる
希望職種を記入する際は「ですます調」の文章にすると丁寧な印象になります。「営業職希望」のような書き方でも伝わりますが、少々不躾な印象を与えかねません。
「営業職を希望いたします」と文章にするだけでも誠実な印象に仕上がります。履歴書は応募者自身の人柄を伝えるための大切な書類です。言葉遣いや表現の一つにも気を配りましょう。
希望職種を書くときの注意点
【希望職種を書く際の注意点】
- 条件や待遇は書かない
- 曖昧表現は避ける
- 空欄にしない
条件や待遇は書かない
希望職種に書くのは「職種名」までに留めておきましょう。
「営業職で月給30万円以上を希望します」「事務職で残業月10時間以上は対応できません」などの希望は、好ましい表現とはいえません。給与や待遇だけを見て応募先を決めているという印象に繋がってしまうおそれがあります。
家庭の事情により勤務時間や勤務地に配慮が必要な場合を除き、条件や待遇に触れるのは避けた方が無難です。
曖昧表現は避ける
希望職種欄には、曖昧な表現ではなく具体的な職種名を書くことが大切です。
「職種は問いません」「どの部署でも活躍できるよう努めます」といった表現は、意欲的なようで目的が不明瞭です。
「どんな仕事でも精一杯こなす」という姿勢は受け身に見えてしまい、高い評価にはつながりません。希望の職種名ははっきりと述べることが、意欲の高さを伝えるのに効果的です。
空欄にしない
希望する職種が特にない場合でも、空欄にするのは避けましょう。企業側は記入漏れなのか、意図して空欄にしているのかの判断ができません。
この場合、「貴社の規定に従います」という定型文を書いておくのが社会人として適切なマナーです。「希望がない」ということを柔らかく伝えられる表現であり、採用担当者の心証を損ないません。
こんなときはどうする?ケース別の希望職種の書き方

希望職種を記入するにしても、希望職種が決まっている場合や未経験の職種に応募したい場合など人によって状況が異なります。
この段落では、状況に合わせた希望職種の書き方をそのまま書ける形で紹介しています。
希望職種が明確な場合

希望職種が応募の段階で決まっている場合は、そのまま記入しましょう。
求人票に「経理職」と記載されている場合は「経理職を希望します」のように、企業側の表記に合わせます。
また、その職種の業務経験がある場合、「これまでの経理スキルを活かしたいため、経理職を希望します」と理由を簡単に添えても差し支えありません。
未経験の職種に挑戦したい場合

未経験の職種であっても、希望職種として記入することは可能です。遠慮して書かずに提出してしまうと、希望していないと判断され、別の職種で選考が進む可能性があります。そのため、希望する職種はそのまま記入することが大切です。
また、未経験であっても関連する業界や業務の経験がある場合、簡単な補足として一言添えると良いでしょう。採用担当者側としても働くイメージが掴みやすくなります。
ただし、補足は長くならないよう60字以内を目安に留めるのが無難です。
複数の職種に応募したい場合

複数の職種に応募したい場合は、分かりやすいように「第一希望」と「第二希望」に分けて記入します。
記入欄に余裕がある場合は、それぞれの職種を希望する理由を簡潔に添えておくと良いでしょう。希望理由を明確にしておくことで意欲を伝えやすくなります。
また、第二希望以降の職種も記入しておくと、第一希望以外の職種でも柔軟に対応できる姿勢も示せます。
特に希望職種がない場合

特に希望する職種がない場合、「特になし」でも間違いではありませんが「貴社の規定に従います」とする方がビジネスマナーを理解している印象になります。
「特になし」だけでは意欲に欠けるように見えてしまうため、基本は避けた方が無難です。「貴社の規定に従います」であれば「どんな部署に配属されても頑張ります」といった姿勢をアピールできるでしょう。
どの職種でも可能な場合

アルバイトやパートでは、1つの求人で複数の職種を募集している場合があります。例えば、食品スーパーの場合、「レジ」「陳列」「鮮魚」「精肉」などさまざまな配属先が用意されているケースも珍しくありません。
特定の職種で働きたい希望がある場合は、履歴書に希望職種を記入しておきましょう。記載がないと、希望していない職種に配属される可能性もあります。
どこの職種でも可能な場合は「貴社の規定に従います」または「貴社のご判断に従います」とするのが望ましいでしょう。
また、職種よりも勤務時間などの条件をする場合は、「9時~17時勤務希望」などと補足しておくとよいでしょう。勤務条件を明確にすることで、企業側も配属先を検討しやすくなります。
職種名がわからない場合

職種名がわからない場合は「貴社の規定に従います」と記載しても問題ありません。ただし、可能であれば「自分の経験やスキルを活かせる職種」といった形で、希望の方向性を簡潔に伝えるのがおすすめです。
例えば、「事務職の経験があるため、パソコンスキルを活かせる事務職を希望します」や「自動車免許を保有しているため、送迎業務にも対応できます」のように具体的なスキルや経験を伝えておくことで、企業側もどの職種に配置するかを判断しやすくなります。
希望(方向性)+柔軟性(企業に委ねる姿勢)をあわせて伝えることで、志望意欲と適応力の両方をアピールできます。
履歴書に書く希望職種のOK例・NG例
【OK例】希望職種の正しい伝え方
- 「経理職を希望します。」
- 「前職での経験を活かせる営業職を希望いたします。」
- 「早朝品出しを希望しますが、他の業務も柔軟に対応します。」
- 「貴社の規定に従います。」
希望職種は簡潔に伝えるのがポイントです。「経験を活かしたい」「他の業務でも対応できる」といった柔軟性や意欲を伝える内容はさらに好印象に繋がるでしょう。
また、なぜその職種を希望するのかを一言添えるだけで説得力が増します。企業側にも意欲が伝わりやすく、採用担当者に前向きな印象を与えることができます。
【NG例】希望職種の誤った伝え方
- 空欄
- 「特にありません。」
- 「営業を希望しますが、残業には一切対応できません。」
- 「一般事務を希望します。」(一般事務の応募がない場合)
履歴書の希望職種を書く際に特に避けるべきなのが「特になし」「空欄」の二つです。「特になし」とするのは意欲の欠如と見なされる恐れがあります。また、空欄にしてしまうと単なる記入漏れに見えてしまい、採用担当者に確認の手間を増やしてしまいます。
他にも、「残業には一切対応できません」のような強い要望を伝えるのも好ましいとはいえません。求人票に記載のない職種を記入するのも不適切です。応募要項を確認していないという評価に繋がるので注意しましょう。
「希望職種欄」と「本人希望欄」の違い

「希望職種欄」には希望職種のみを書く
履歴書の「希望職種欄」には本人が希望する職種のみを記入します。その職種での実務経験があることや資格を持っていることなどは、補足程度に短く付け加えましょう。
詳しく補足しすぎると自己PR欄や資格欄と重複する可能性があるので、ここでは簡単な理由を述べるまでに留めるのが無難です。
「本人希望欄」には勤務時間などの条件についてを書く
履歴書の「本人希望欄」には勤務時間や勤務地などの条件についてを記入します。「希望職種欄」がない場合は、このスペースを活用して希望職種を記入します。
ただし、本人希望欄だからといって、何でも自由に書いていいというわけではありません。「月給40万円以上」「残業不可」のように、自分の希望を押し付けるような表現は避けましょう。融通が利かない人という評価に繋がってしまいます。
希望職種を採用担当者はどう評価している?

自社の募集内容について理解しているか
採用担当者は、希望職種の記載内容から自社の募集内容をどれだけ理解しているかを見極めようとしています。
仕事内容や求められる役割を十分に把握していないまま応募している場合、入社後のミスマッチにつながる可能性があるためです。
業務内容について興味を持った点や自分の強みをどのように活かせるか、面接で答えられるようにしておくと高評価に繋がるでしょう。
応募者の意思が明確になっているか
希望職種を通じて応募者の意思を確認することも採用担当者の目的のひとつです。
「なぜその職種を選んだのか」「将来的にどのようなキャリアを目指しているのか」などが明確な人ほど、高い評価に繋がります。
面接では、その職種を選んだ理由や志望動機について深掘りされることも多いため、あらかじめ自分の考えや将来像を整理しておくことが大切です。
入社後に希望する職種で活躍できそうな人材か
履歴書の希望職種は、応募者にとっては「やりたい仕事」の意思表示ですが、採用担当者は「入社後にその職種で活躍できるか」という点を慎重に判断しています。
例えば、接客業を希望する場合、アルバイト・パートやパートであれば「人と接するのが好き」という理由でも問題ありません。しかし、転職や就活であればやや説得力に欠けることもあります。これまでの経験や実績、得意分野などをもとに、活躍できる根拠を示すことが重要です。
自分の経験や強みをアピールして、入社後のイメージを掴んでもらうようにしましょう。
面接で希望職種について聞かれた場合の答え方
【希望職種について聞かれた場合の答え方のポイント】
- 結論(希望職種)から述べる
- 希望職種を選んだ理由を簡潔に伝える
- 活かせる経験やスキルを結びつける
- 他部署配属の可能性も理解していることも示す
結論(希望職種)から述べる
履歴書に希望職種を記入していても、面接の場では改めて「あなたはどの職種を希望していますか?」と聞かれることがあります。
その際は結論から伝え、意思の固さを明確にしましょう。「営業を希望します」のように、どの職種を希望しているのかを簡潔に伝えるのがポイントです。
希望職種を選んだ理由を簡潔に伝える
希望職種を伝えた後は理由を簡潔に述べましょう。
理由を伝えることにより、その職種への熱意が伝わり説得力が増します。経験がある場合は、仕事内容についてどれだけ理解しているかもアピールできるでしょう。
ただし、どうしてその企業にしたのかまで話してしまうと「志望動機」と混合してしまい、話も長くなりがちです。あくまでも「希望職種」にフォーカスした上で、聞かれたことだけを簡潔に答えるようにしましょう。
活かせる経験やスキルを結びつける
履歴書の欄はスペースが限られていますが、面接の場では時間が許される限り自分を最大限にアピールできます。活かせる経験やスキルがあれば、面接時に積極的にアピールしましょう。
「法人営業として培ってきた対応力や社内調整スキルを活かしたい」「TOEICスコア800点以上あり、英文メールや会議への対応が可能です」など、実務で活かせるスキルを具体的に示すことで高評価に繋がります。
未経験の職種であっても、これまでの経験を振り返れば共通で役立つスキルが見つかるはずです。経験不足を感じさせないよう、少しでも活かせるスキルを中心に話を組み立てましょう。
他部署配属の可能性も理解していることも示す
自分が希望する職種をしっかり伝えることは大切ですが、必ずしも希望通りに配属されるとは限りません。他の部署に配属される可能性や、企業側の事情を理解している姿勢も大切です。
複数の職種で募集している場合などは、状況に応じて柔軟に対応できる姿勢をアピールすると良いでしょう。面接で伝える場合は「経理職を希望していますが、最終的には御社の判断に従います」といった表現がベストです。
履歴書の希望職種に関するよくある質問

希望職種を書けば希望通りの職種に就ける?
希望職種を書いても、必ずしも希望通りの配属先に決まるとは限りません。
先に応募した人に決まってしまった場合などは、他の職種を打診される可能性があります。専門職や強い思い入れがある場合を除き、あくまで配属の参考情報として扱われることを理解しておきましょう。
封筒に希望職種を書くよう指示された場合はどう書く?

応募先の企業から封筒にも希望職種を記入するよう指定された場合、宛名の横に書くのが一般的です。「希望職種 ○○」とシンプルに記載すると分かりやすいでしょう。
なお、企業から指定がない場合は、封筒に希望職種を書く必要はありません。自己判断で書いてしまうと、かえって指示を聞いていない印象を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。
希望職種を書くことで採用に不利になることはある?
希望職種を書くことで採用で不利になることはほぼないでしょう。むしろ自分の意志をもって転職・就職活動に励んでいる姿はプラスに働きます。面接ではその職種を希望する理由について、丁寧に伝えることでより高評価に繋がるでしょう。
ただし、希望を主張し過ぎるのは却って逆効果です。「事務以外はやりたくありません」のように頑なな姿勢は、採用担当者にネガティブな印象を与えてしまうため、柔軟な姿勢を見せることが大切です。
待遇や給料の希望を書いても問題ない?
履歴書に待遇や給料の希望を書くのは望ましくありません。場合によっては「自己主張が激しい人」などネガティブな印象に繋がる恐れがあります。
待遇面での希望は面接や雇用契約時に交渉するものであり、履歴書には書かない方が無難です。
ただし、通院や介護などのやむを得ない事情があり、勤務条件に制限がある場合は例外です。あらかじめ伝えておくことで、企業側も配慮した配属や働き方を検討しやすくなります。
その際は、「月に1回通院のため平日にお休みをいただく場合があります」や「家族の介護のため残業が難しい状況です」「平日9時〜17時の勤務を希望しております」といったように、簡潔かつ事実ベースで記載することが大切です。
アルバイト・パートの場合の希望職種はどう書く?
アルバイトやパートの場合でも希望職種の書き方は正社員とほぼ同じです。ホールやキッチン・レジ・品出し・検品・ピッキングなど求人票に書かれている職種名をそのまま記入しましょう。
また、勤務日数や時間などについて確認されることがあります。採用をスムーズに進めるためにも、補足として「16時まで希望」「土曜日も勤務可能」と付け加えるのも良いでしょう。
履歴書の希望職種で自分の意思を上手に伝えよう
履歴書の希望職種は、自分の意思を簡潔に伝えるのが好印象を与えるポイントです。志望動機や自己PRと比べて軽視しがちな項目ですが、採用担当者は希望職種の内容も採用時の判断材料にしています。
自身の強みや経験、スキルを活かせそうな職種を自分の言葉で書き上げましょう。
希望職種を記入する際は長文にせず、簡潔にまとめます。職種に希望がなくても空欄や「特になし」とはせず、「貴社の規定に従います」という定型文を使った方が誠実な印象を与えることができます。
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