新卒用の履歴書はこれで完璧!書き方から提出までのマナー【例文あり】
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履歴書の「学歴・職歴欄」は記入欄の割合が大きい項目です。教育の履歴や職業の経歴が分かることはもちろん、一般的なルールやマナーを守って文書を作成ができるかどうかの社会人としての素質も分かります。
本記事では「学歴・職歴欄」をマナーを守って書くポイントを紹介します。
あなたの経歴を採用担当者へ正確にアピールするために、ぜひ参考にして「学歴・職歴欄」を作成してみてください。
履歴書の「学歴・職歴欄」は、応募者がどのような教育を受け、どのような業界・職種で経験を積んできたのかを、企業が把握するための重要な項目です。
学歴・職歴欄には業務との親和性やこれまでのキャリアの一貫性が読み取れるため、選考の判断基準の一つとして重視されています。そのため、学歴・職歴は省略や誤りのないよう、正確に記載することが欠かせません。
また、履歴書の中でもボリュームが大きいため、最初に目に入りやすい項目欄です。書き方が整っていないと、それだけで粗雑な印象を与えてしまう可能性もあります。基本的なルールを押さえ、丁寧に記入すれば、読みやすさと丁寧な人柄を伝えられるでしょう。

学歴の方が過去、職歴の方が現在に近い情報であるため、学歴から書き始めるのが基本です。
学歴・職歴欄の一行目の中央に「学歴」と記載して2行目から学歴を記入します。学歴は上から古い順になるよう、最終学歴まで正確に記載しましょう。
学歴を書き終えたら一行空け、中央に「職歴」と記載してから職歴を記入します。職歴も同様に古いものから順から現在に向かって時系列で書きます。
職歴は、原則として在したすべての勤務先を正確に記載することが望ましいとされています。期間が短い職歴であっても、意図的な省略は経歴の不整合につながるため注意が必要です。
また、転職回数が多く欄に収まらない場合は、職務経歴書で細くすることを前提に完結にまとめるケースもあります。例えば、「○○系企業3社」といった形で簡略化することもできます。
ただし、その場合でも直近の勤務先については、企業名や在籍期間を省略せず、必ず明確に記載しておく必要があるため注意しましょう。
年月を書く場合、和暦・西暦はどちらを使用しても問題ありません。明確な決まりはありませんが、履歴書全体でどちらかに統一することで綺麗で見やすい履歴書に仕上がります。
和暦と西暦が混在していると採用担当者が時系列を把握しにくくなり、内容を読み取るのに時間がかかってしまいます。特に、近年は年号をまたいで経歴を持つ人も多いため、統一された表記の方が読み手にとって親切です。
また、職務経歴書や添付資料など、履歴書以外の書類においても年号を記載する場合があります。その場合も可能な限り、応募書類全体で表記方法を統一することがおすすめです。
学校や会社名は、略称ではなく正式名称で記載しましょう。よくある誤りとしては、「高等学校」を「高校」と書いてしまったり、企業名に「(株)」を使ってしまうことです。
また、同じ学校で「入学」と「卒業」が続く場合でも、「同上」などの略記は使用せず、毎回正式名称を記載するのが正しい書き方です。
もし、学校名や会社名が自身の所属していた時期から変更された場合は、当時の名称の隣に「(現〇〇会社)」として現在の名称も書き添えましょう。
知らない間に名称が変わっているケースも多いため、学歴・職歴を記載する前に、現在の名称を確認しておくことが大切です。
学歴と職歴は同じ欄に続けて記載する履歴書も多いため、両者の区切りを明確にするために、間に1行空けるのが一般的です。
1行空けることで「どこまでが学歴で、どこからが職歴か」が一目で分かり、採用担当者がスムーズに読み進めることができます。
ただし、職歴が多くて書ききれない場合は、無理に一行空けなくても問題ありません。その場合は、読みやすさを損なわない範囲で詰めて記載します。
基本は「読み手にとって分かりやすいか」が基準です。可能な限り1行空ける方が望ましいでしょう。
学歴と職歴をすべて書き終えたら右詰めで「以上」と記載します。記載内容の終わりを示す表記であり、これがないと「書き終わっている」「続きが抜けている」のどちらか判別できません。
書き方としては、直近の職歴を書いた次の行に「以上」と書くのが一般的です。職歴が多く、最後に1行も増やすことができない場合は、企業名からそのまま右詰めの位置に書くこともできます。
記入欄の終わりまで職歴を書いている場合でも、「以上」と書いて記入内容に漏れがないことを明記しましょう。

| ケース | 書き方 |
| 新卒採用(大学) | 〇〇年3月 ▢県立✕中学校 卒業 〇〇年4月 ▢県立〇〇高等学校普通科 入学 〇〇年3月 ▢県立〇〇高等学校普通科 卒業 〇〇年4月 ▢▢大学△△学部✕✕学科 入学 〇〇年3月 ▢▢大学△△学部✕✕学科 卒業見込み |
| 新卒採用(大学院) | ※大学卒業までは大学のケースと同様 〇〇年4月 ▢▢大学〇〇学部△△学科✕✕専攻修士課程 修了見込み |
新卒採用の場合、社会的な区切りとされる「中学卒業」から学歴を記載するのが一般的です。インターンシップを除いて、職歴が基本的にはないためです。
中学校については、卒業年月と学校名を正式名称で記載しましょう。その後、高校・大学・大学院へと、古い順に学歴を記入します。
なお、新卒採用は高校や大学在学中に就職活動を行っているため、応募時点での最終学歴が「入学」となってしまいます。この場合は卒業予定の年月を入れ、「卒業見込み」と明記するのが正しい書き方です。
大学院の場合は、大学の学歴を記載したうえで、最終学歴として「修了見込み」または「修了」と記載します。「卒業」ではなく「修了」となるため、注意しましょう。
また、高校・大学以外に、資格取得のために通った塾や予備校、スクールなどは、学校教育機関と異なるため学歴には含みません。アピールしたい資格や専門的なスキルがある場合は、資格欄に記載しましょう。
| ケース | 書き方 |
| 学科、コースが長く2行にわたる場合 | 〇〇年4月 〇〇大学△△学部 ▢▢▢学科✕✕✕コース 入学 |
| 卒業論文テーマを記載する場合 | 〇〇年3月 〇〇大学△△学部▢▢学科 卒業見込み 卒業論文「(自身の卒業論文テーマ) |
大学の学部・学科は、あなたがどの分野を専門的に学んできたかを示す重要な情報です。履歴書には、大学名だけでなく、学部名・学科名を正式名称で書き記しましょう。
専攻やコースが分かれている場合は、省略せずに記載することで、採用担当者にスキルや経験、知識をイメージしてもらいやすくなります。
大学院の場合は研究科、専攻、課程(修士・博士)まで記載すると、学んだ分野がより正確に伝わります。1行に詰めるのが難しい場合には、2行に分けて記載しても問題ありません。
また、卒業論文や研究内容が応募先企業の業務内容と関連している場合は、学びの内容を補足情報として記載するとより効果的です。「卒業見込み」もしくは「修了見込み」または「修了見込み」の一段下に「卒業論文(研究テーマ)」として簡潔に記載しましょう。
職歴欄には、正社員としての就業経験を記載するのが原則です。新卒採用の場合はアルバイトやパート雇用の記載は必要がないため、職歴は「なし」と記載します。
記載方法は、最終学歴の後に1行空け、中央に「職歴」と記載します。さらにその一段下に「なし」と明記しましょう。職歴欄を空欄のままにしてしまうと、記載漏れなのか判断できず、マイナスな印象を与えてしまう可能性があるため、注意しましょう。
ただし、応募先企業の業務に関連する分野でのインターンシップ経験がある場合や、長期間のアルバイトで実務に近いスキルを習得した場合は、職歴として記載しても問題ありません。業務内容や経験が評価対象になり得る場合は、記載するメリットがあります。
その場合は、正社員以外の雇用形態であることがわかるよう、企業名の後に「株式会社〇〇(アルバイト)」や「株式会社△△(インターンシップ)」のように、カッコ書きで記載するのが適切です。

| 最終学歴 | 書き始め |
| 高等学校卒業 | 高等学校入学 |
| 大学もしくは専門学校卒業 | 高等学校卒業 |
| 大学院修了 | 高等学校卒業または大学入学 |
転職の場合は職歴欄のボリュームが大きくなるため、学歴は簡潔にまとめるのが基本です。そのため、学歴は原則として「高等学校卒業」から記載します。
ただし、最終学歴によっては書き始めを調整する必要があります。最終学歴が高校卒業の場合は、高校入学から記載し、在籍期間が分かるように明記しましょう。
最終学歴によって最適な書き始めが異なるため、自身の学歴に合わせた書き始めでまとめることが重要です。最終学歴のみを記載するのではない点に注意しましょう。
転職の場合は、原則として正社員の職歴を中心に、時系列に沿って正確に記載することが求められます。勤務期間の長さに関わらず、在籍していた事実を省略したり、実際と異なる内容を書くのは避けましょう。
すでに退職している会社については、退職した年月と退職理由を簡潔に記載します。「〇〇年✕月 一身上の理由により退職」と記載するのが通例です。
また、応募時点で在職中の場合は、職歴の最後に「現在に至る」と記載し、さらにその一行下に右詰めで「以上」と書きます。
退職予定が決まっている場合には「〇〇年✕月 退職予定」と退職予定月を記載しておくことで、採用担当者に状況を正確に伝えられます。
職歴の最後の「現在に至る」もしくは「退職予定」の行から下に空欄がない場合、同じ行に右詰めで「以上」を記入しても問題ありません。「以上」を入れることで、記載が完了していることを伝えているので、書き忘れに注意しましょう。
アルバイトやパート・派遣社員などの経験は一般的に職歴には記載する必要はありません。ただし、応募先企業の業務に活かせるスキルや経験がある場合は、記載することで評価につながることもあります。
その場合は、正社員以外の雇用形態であることを明確に記すため、社名の後に「株式会社〇〇(派遣社員)」のように記載しましょう。
また長期間にわたって勤務していたアルバイト経験や、社会保険に加入していた経験についても、実務経験として判断される場合があります。自分の経験が応募先でどのように活かせるかを意識しながら、必要な職歴をか不足なく記載することを心がけましょう。
職歴欄では、企業名とともに配属された部署や担当していた業務内容もあわせて記載します。役職に就いていた場合は、役職名も明記することで、責任範囲や立場をイメージしてもらいやすくなります。これらの情報は、応募者が身につけているスキルや知識、仕事への姿勢や社会人としてのスキルを判断する材料となります。
担当業務を記載する際は、内容を詰め込みすぎず、簡潔にまとめることが重要です。業務内容は「営業」「接客」「事務」「会計」、役職は「リーダー」「チーフ」など、職種や役割が一目で分かる表現を用いると良いでしょう。また、正式な役職でなくても、チームをまとめる立場や特定の役割を担っていた場合は、その点を補足して記載することで、事実上の経験値を伝えられます。
一方で、業務内容が多岐にわたる場合や職歴が多い場合には、詳細まで書く必要はありません。そのような場合は、職務経歴書を別途作成するため、履歴書では概要をまとめる程度の方が、全体を見やすく整理できます。その際には、「詳細な職歴については、添付の職務経歴書をご参照ください」と一言添えるとスマートです。
履歴書の学歴・職歴欄は、採用担当者が一目で応募者の経歴を把握するためのものです。細かく書きすぎるのではなく、要点を押さえ簡潔にまとめることを意識しましょう。
履歴書の様式によっては、学歴と職歴が一つの欄で続いているタイプが用いられていることがあります。この場合も、まず学歴から先に書き、一行空けて職歴を続けて書きます。
記入する際は、学歴の最初の行の中央へ「学歴」と記載し、学歴を書き終えたら一行空けてから、同様の行の中央に「職歴」と記します。こうすることで、学歴と職歴の区切りが視覚的にわかりやすくなり、採用担当者が内容を把握しやすくなります。
職歴をすべて書き終えたら、職歴の最後の行の一段下に右詰めで「以上」と書いて締めくくります。学歴と職歴が一続きになっている場合でも、区切りを意識して丁寧に記入することで、整った印象の履歴書に仕上がります。
| ケース | 書き方 |
| 中退 | 〇〇年✕月 〇✕大学経済学部国際経学科 入学
〇〇年△月 〇✕大学経済学部国際経学科 中途退学 |
| 転校 | 〇〇年✕月 △△県立〇✕高等学校普通科 入学
〇〇年△月 ▢▢県立〇〇高等学校普通科 転入学 |
| 編入 | 〇〇年✕月 〇✕大学経済学部国際経学科 入学
〇〇年△月 △△大学社会学部国際社会学科 編入学 |
| 留学 | 〇〇年✕月 △△年〇月まで、(国名・大学・学科の順に記載)へ留学 |
学歴の中に中退や転校、編入などイレギュラーな経歴が含まれる場合は、事実として省略せずに記載するのが基本です。入学した学校と、その後の経過がわかるよう、年月と区分を正確に書きましょう。
留学は、1年以上の正規留学で学位取得や修了実績がある場合に限り、学歴欄に記載できます。短期留学や語学研修は学歴には含まないため、注意が必要です。
なお、留年や浪人については、入学・卒業年月から判断できるため、特別に記載する必要はありません。ただし、介護や病気・ケガ治療など、やむを得ない事情で休学する必要があった場合には、学歴欄に記載しても構いません。その場合、「〇年次に、病気療養のため1年休学(現在は完治)」のように記載します。
病気や怪我による療養があると、採用担当者は職務上で配慮が必要かどうかを判断する必要があります。完治しているのか、治療継続中なのかをカッコ書きで書いておきましょう。
中退は、採用担当者が理由を気にしやすい経歴のため、差し支えなければ、「家族の事情により」や「一身上の都合により」など、簡潔な理由を添えると理解されやすくなります。詳細を記載したくない場合には「一身上の都合」と書いておきましょう。
職歴欄が足りない場合は、記載方法を工夫して行数を調整します。「入社」の行に配属先や担当業務をまとめて記載したり、入社と退職を同一行にまとめたりすることで、スペースを節約することができます。直近ではない職歴については、簡潔な表現に見直しても差し支えありません。
それでも収まらない場合、職務経歴書を別で作成するのも一つの手段です。「詳細な職歴については、添付の職務経歴書をご参照ください」と補足すると良いでしょう。
また、転職の場合は中学卒業や高校入学など古い学歴を省略することもできます。学部・学科名以外に専攻した学問や卒論テーマなどの記載は重要ではないため、それらも簡略化させましょう。
なお、パソコンでエクセルなどを使用して作成している場合には、学歴・職歴欄を増やすことも可能です。ただし、他の欄とのレイアウトが崩れたり、文字サイズが極端に小さくなって読みづらくなったりしないよう注意しましょう。
市販でも学歴・職歴欄が広いレイアウトの履歴書が販売されていたり、インターネット上でテンプレートをダウンロードしたりもできます。できるだけ省略せずに記述できるように、別の様式を探してみるのもおすすめです。
アルバイトは基本的に職歴に記載する必要はありません。しかし、長期間にわたって勤務していた場合や、業務を通じて専門的なスキルを身につけた場合は、職歴に記載しても問題ありません。応募先企業の業務に活かせる経験であればアピールとなります。
記載する際は、通常の職歴と同様に、社名を正式名称で記載し「入社」と書いた横に「(アルバイト)」と補足します。
また、社会保険に加入していた場合も、安定して勤務していた実績として受け取られやすいため、記載しましょう。
職歴欄に余裕がある場合は、アルバイト経験も含めて整理し、採用担当者が経歴を把握しやすい形でまとめましょう。
学歴・職歴欄を正しく書くことは、あなたのこれまでの背景や社会人としての経歴をアピールすることにつながります。特に入学・卒業年月の誤りや「以上」の書き漏れといった初歩的なミスは、内容以前に信頼性を損ねてしまうため注意が必要です。学歴・職歴欄の記載前に全体を一度下書きして、間違いがないか確認しながら作成しましょう。
パソコン作成で履歴書を作成する場合には、AIを活用した履歴書作成サービスもおすすめです。
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学歴・職歴欄は基本となる部分だからこそルールに従って丁寧に作成し、採用担当者が読みやすく良い印象を持ってもらえるような履歴書に仕上げましょう。

2021年7月に入社し、CareerMine、SPI対策問題集をはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『らくらく履歴書・職務経歴書』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行っている。また自身もライターとして記事執筆も担当。

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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